その転校生、鬼。
何処で壊れた、オレの日常。
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その日は、いつもどうり自転車で学校に通っていた。
まだ中二ということもあったしヘルメットもつけて遅刻しそうになりながらも学校に着いた。
「遅かったね、柳くん」
「ん、まーね」
他愛も無い友との会話。隣の席の香川さん。
前告られたのを覚えている。けど、断って友達でいようで終わったんだ。
名前のほうを覚えてないのは進級したてだし、何よりオレが名前覚えんの苦手だから。
小学の時は覚えんの早かったんだけどなーと自称してみるも誰も答える奴はいない。
そりゃそーだ、心の中で喋ってんだからな。
しかし、この頃はホントに覚えが悪くなったと思う。
勉強は元からだが、人の名前覚えないのは危ないと思う今日この頃。
前に別学校の友達に「オレ、物覚え悪くなったかもしんねー」とメールを送ると決まって、
「じゃ、今度からおじーちゃんって呼んでやんよwww」
と返される。
おじーちゃんよりもアルツハイマー病ってのを心配しろよと毒づく。
「はあ、・・・なんか刺激ねーかな」
椅子に腰掛け、天を仰ぐ。
視界に移るのは四角く分けられた真っ白い天井。
いつも見てるそれに、またため息をひとつ。
ため息を吐くと幸せが逃げるといった奴は何処のどいつか。
そんなことを考えていると、教室のドアががらりと開いた。
その音を聞いて、立っていた男共が席に付く。
先生のお出ましだ。
オレの担任は戸嶋 裕子先生、通称撫子先生。ショートカットの黒髪美人とでも言うべき女性担任。
その美貌からは、憧れる女子生徒も多いが、それに比べても彼女に惚れた男子生徒のほうが格段に多い。
「はーい、みんな静かに。今日はこの学校に転校して来た新しい仲間を紹介します。入ってきて」
戸嶋先生に言われて教室のドアを開けたのは、その額にツノを生やした真紅の瞳をした 鬼 だった。
「っ!?」
がたんっ、とイスから立ち上がる。その際にイスが倒れてしまったがその時は何も感じなかった。
けど、気付いたら鬼の姿は何処にも無くて。
替わりに髪の長い女性がいた。征服の真新しいところから彼女が転校生だと言うことが分かる。
オレはほっとし、その瞬間腰が抜けそうになったが両腕で机を掴むことでなんとか転倒を免れた。
「どうしました? 柳くん??」
先生の言葉にはっとして辺りを見渡す。
そこにはどこか困惑した表情をした同級生。怪訝な目で見てくる奴もいた。
オレはそのまま息を整え何でもありません、とイスに座りなおした。
その後も、先生が転校生のことを説明しているときもオレは彼女から目が離せないでいた。
あの時の鬼も自分の錯覚だと思っているし、今の自分の頭だって正常に動いてる。
「あー、くそっ!」
小さい声で文句を言う。頭の中がごちゃごちゃしてきた。
試しに額に手を当てると、ほんのりと暖かかった。
「―――・・・なので、これからよろしくお願いします」
転校生本人からの挨拶が終わり、パチパチパチパチッ、と他の生徒が拍手する中オレはまだ頭を抱えていた。
まだ整理が出来ないでいたんだ。
だから、転校生がオレの事をじっと見ているなんて気付かなかった。
やってしまったオリジン小説・・・。
見てくれた方!
まことに感謝です!!
もう、感謝感激の雨あられですよ!!
多分この物語はまだまだ続きます。
今後の展開??それは作者の気分次第wwww