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花の妖精と花粉症

「なになに何が来たの?」

「新しい妖精だな」

「新しい妖精ってなによ!意味がわかんないよ」

「じゃ私はこれで・・ってドア開けない!お姉ちゃんドア開けないんだけど!」

「大丈夫だドアは開けないようにしておいた」

「なんでー?なんでそんな事するのよ真子っちゃん?」

「なんで?だっておまえ逃げるだろ?」

「逃げるよぉ逃げる!だってお姉ちゃんの問題じゃん」

「だから姉妹は連帯責任でしょお姉ちゃんを見捨てないでよー」

「関係ないわよ真子っちゃん早くドア開けてよ」

「ダメだ連帯責任だ。さあ戦え!」


「君たちかい?僕たちの仲間を殺し続けているのは・・・?」


「あーイケメン!イケメンの妖精だ!」

「兎子・・・でもちっちゃいよ」

「残念」

「来たね花の妖精だ」

「花の・・・もうなんでもいいわよ私ん部屋で虫みたいなのがぶんぶん次から次へと!!もーこれでもくらえ!!」


ブシューゥゥゥゥ。


「なんだいこれは?あまり良い香りではないね」

「きっ効いてないゴキ〇リの仲間のくせに殺虫スプレーゴキジェッターが効いてない」


私は膝から崩れ落ちた・・・。

もはやGにゴキジェッターが効かない時代がやってきていたのだ。

絶望の淵に落とされうなだれた。


「終わった・・・もうだめだ・・・人類はGに支配される・・・」


「おい・・・人間ゴキ〇リと妖精を一緒にするんじゃない」

「一緒よ・・・虫っぽいし一緒よ」

「侮辱!侮辱侮辱侮辱!!人間よ同胞を殺したあげくに侮辱だと!絶対に許さんぞ」

「そもそも許す気なかったじゃん」

「くらえ花粉の舞!!!」


黄色い粉・・・黄色い粉が家中にまき散らされた。


「ちょっとやめてよ。部屋が粉だらけじゃない!何の嫌がらせよ」


「くしゃん!!くしゃん!!くしゃん!!お姉ちゃん!ただの粉じゃないよ。くしゃみが止まらないよ」


「そう!僕は花の妖精世界中に花粉をまき散らす妖精さ!!」


「迷惑な妖精ね。私は花粉症じゃないからなんの影響もないからいいけど」


「さすがお姉ちゃん花粉をものともしない鈍感人間ね。くしゃん!」

「待て今花粉症じゃない人間を敵に回すような発言してるよ。って言うか真子も花粉症だったよね

「問題ない私は完全防備だ」


「・・・防塵装備・・・どこからそんなものを・・・」


「この状況は想定の範囲内だ。花粉の妖精!!お前の弱点はまるっとお見通しだ!覚悟しろ!」

「くしゃん!真子っちゃん!なんでもいいからはやくしてー花粉で死にそうよ・・・くしゃん!」


「兎子・・・お姉ちゃんにも言う事あるよね?ね?ね?お願いしてごらん」


チャンス到来だ。

今まで姉として保てなかった威厳、尊厳。

今一度頼れる姉に戻れるチャンスだわ。


「くしゃん!ないよ!お姉ちゃんはもういいから真子っちゃん助けて!!くしゃん!」


なんてことだ・・・お姉ちゃんではなく真子を頼るとは・・・ここまで信頼が低下していたとは・・・。


「ここはお姉ちゃんが何とかするから大丈夫!」

威厳を取り戻す!!


・・・ってかっこよくポーズまで決めてみたけどどうしたらいいんだ・・・必殺のゴキジェッターが通じない今・・・。


やっぱり拳で・・・むりーあんな虫みたいなの絶対に触れない!!


ああ・・・そんなことをしているうちにどんどん花粉まかれてるよ。

完全に部屋が黄色くなってる。


「真子?」


「ついに私の出番がきたな。この日の為に用意しておいた秘密兵器!!花の妖精用用品!!ほれ!」


真子が私と兎子にそっと渡したもの・・・それはマスクとメガネ・・・。


「これは・・・?」

「マスクとメガネだ」

「それは見ればわかるけど・・・なに?」

「なに?じゃない花粉対策にはマスクとメガネだろ!」

「だとして・・・真子の装備との落差ない・・・?」

「気にするな早く装備しろ」

「ねぇ真子っちゃん今更マスクもメガネも気休めだよ」

「そもそも花粉症じゃない私には意味がないんだけど・・・」

「そんなことを言うなとりあえず装備しろ。本番はここからだ」

「真子っちゃん花粉限界だよ。本番から始めてよぉ」

「この日の為に用意しておいた花の妖精殺しの新兵器!!」


「除草皇帝ネコソギDX markⅢ」


真子が取り出したのは巨大なバズーカ砲のような何か・・・これで一発・・・。


「ってちょっと待ってよそんなの撃ったら部屋破壊されない?ねえ大丈夫?私の部屋は大丈夫?」


「問題ない!任せろ!」

「何をしても無駄だよ花の妖精である僕に君たちは勝てない。永遠の花粉地獄で苦しみ死ぬがいいさ」


「人間をなめるな!!」


ズドォォォン!!!

バシャァァァ!!!


バズーカ砲から噴き出る謎の液体。

溶ける妖精、


「うわぁぁぁぁぁ!なんだこれは?体が!体が!!」


「除草剤だ。花の妖精!枯れてしまいなさい」


溶けて枯れていく妖精・・・あとに残されたのは黄色い粉と謎の液体べちゃべ茶のぐちゃぐちゃになった部屋だ。


「真子・・・」

「なんだ沙月気にするな。親友として助けるのは当然た」

「そうじゃない・・・部屋・・・どうしよう?お母さんに怒られちゃう」

「だから気にするなって」

「気にするわよ。怒られちゃう!!兎子ぉ助けてよぉ」

「くしゃん!くしゃん!・・・無理・・・早く部屋から出して・・・くしゃん!」

「兎子ぉー見捨てないでぇー」


姉の威厳は捨てることにした。

兎子に泣いてしがみつき助けを求めた。


「嫌よ!あっドア開いた」

「兎子!逃げないでおいてかないで!」


勢いよく部屋を出ようとした兎子はドアの前で動かなくなった。


「ねえなんかいるよ」

「なんかいる?いてもいいから部屋を片付けるの手伝ってよ」

「おお来たな。さすが沙月の部屋だ。妖精の出現が止まらないないな」

「来た?来たって妖精?」

「そうだ。沙月次の妖精だ」

「なんで次から次へと私の部屋に妖精が来るのよ!」

「なんでかって?それは簡単だ私が読んだからだ」

「はあ?真子何言ってんの?」

「いや最近妖精についてずっと研究をしていてたんだが実物が見たくてな呼び寄す方法を調べてたんだ」

「はあ・・」

「でだいろんな文献を調べて呼び寄せるための装置は完成したんだ。だが設置場所が問題でな、適度に散らかっていて適度に汚れてて適度に臭くないといけなかったんだがちょうどこの部屋の環境がベターだと分かったのでこの間遊びに来た時に装置を設置しておいたんだ」

「確かに真子っちゃんの言う条件だとお姉ちゃんの部屋はベターね」

「ちょっと待ってちょっと待って少し散らかってるけど汚くないし臭くないよ」

「えーお姉ちゃんの部屋微妙に匂ってたよぉ」

「だろ?」


ショックだ・・・臭いって思われたなんて・・・。


「・・・ちょっと・・・あなたたち私を無視しないで頂けるかしら?」


そうだった目の前に新しい妖精が来ていたんだった・・・。



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