バカだけど強いんだ
「なんかもっさりしたのが来たよ」
「陽性なのに飛べそうにない感じだね。おなかの感じがお姉ちゃんに近いよ」
「あんなに太ってないよ。最近ちょっと出気味だけど」
「飛べなくたって問題ないぞぉオラァ歩くんだァ」
「でもサイズ大きめで食べ応えはありそうだぞ」
「確かに・・・」
「ねえサンジあれ何?なんの妖精?」
「あれは土の妖精だな。あいつあんまり俺に近づけるなよ。土がかかったら火が消えちまうからな」
「じゃあお姉ちゃんが頑張るしかないね」
「なんでよ。たまには兎子が頑張んなよ」
「嫌よ私頑張るの嫌い」
「えぇ?!良くないよ」
「オラァお前らが妖精食ってるって聞いて良くねぇなと思って来たんだぁ」
「まあ、あなたたち側からしたら良くないけど・・・一部の妖精公認よ」
「そうよ私たちは妖精食を推奨するわ。沙月早く食べるわよ」
「良くねぇなおまえらぁ。おらぁの攻撃をくらえ!!」
「うわぁ土投げてきた!」
「また部屋が汚れる!!せっかくコーヒー効果で消臭出来たのに!!」
「部屋の汚れはどうでも良いわよ。私が汚れるんだけどお姉ちゃん早く止めてよ」
「部屋の心配もしてよ!!」
「お前ら!ここは俺に任せろ!!あいつを止めてやるぜ!俺の紙であいつを包んで土を負けないようにしてやるぜ!」
「なにすんだぁオラァの邪魔をするんじゃねぇよぉ」
「よし!お前ら捕らえたぞ!!調理するぜ!!」
「ケント!さっそく役に立ってるわね」
「お姉ちゃんとは大違いね!!」
「そんなことないよ!!」
「待て!!正義の名においてそんなことは絶対にさせない!!」
「なに?またなんか来たよ?」
「もう何の妖精でもいいからお姉ちゃん今度こそ捕まえて役にたって!!」
「兎子だって役にたってないじゃん」
「俺はハサミの妖精バサリ!!紙なんか!!こうだ!!」
「うわぁぁ!!」
「あぁっケントが切り刻まれてくよ」
「一瞬お姉ちゃん以上の活躍をしたけど一瞬だけだったね」
「まあ、やれてしまったものは仕方がない。後で美味しく頂くとしよう」
「そうよね真子っちゃんケントの調理は任せたわ。こっちはお姉ちゃんが何とかするから!!」
「なんでよ。妖精2匹来てるんだからせめて1匹は兎子が何とかしてよ」
「お姉ちゃんなら出来る!!信じてるよ」
「そんな信頼ないじゃない!」
「話は終わったか正義の名において次はお前だ!」
「うわっ!ハサミの妖精こっち来た!相手がハサミ・・・ということはチョキ・・だったらこっちはグーよ!!」
全力の握り拳!グーパンチ!!
「うぁあぁあ!!兎子大変!!切れた切れたよ血が出たよ」
「お姉ちゃんバカなのハサミに手出したら切れるに決まってるじゃん」
「でもチョキにはグーだと思ったんだもん」
「もういいよ私が網で・・・」
「そんなものは俺の正義には通用しない!!」
「切られた切られたよ網!!やっぱりどうにかしてよお姉ちゃん!」
「どうにかって言われても・・・」
「お前ら!ハサミの弱点は岩だ!だから土!土に妖精をぎゅっと固く握って投げつけるんだ!」
「サンジ!そんなんで通じるの?」
「いいからやれ!!」
「あぁなにすんだぁお前らぁやめろぉぎゅっとすんじゃねぇよぉ」
「無駄だ!俺の正義の攻撃の前には何をやっても無駄だ!!」
「固めたこれを・・・くらえ!!」
ガキンッ!!!
壊れた・・・ハサミの妖精が壊れた。
「これで今日はさっそく3匹も妖精捕まえたわ」
「食料豊富だねさすがお姉ちゃん」
「さっき・・・バカ扱いしてなかった?」
「バカだよ?バカだけど強いんだよお姉ちゃんは」
「褒めてないし」
「そうだ土の妖精は生かしておこう」
「真子?なんで?」
「土があれば作物が育てられるだろ。狩猟生活から農耕生活へ切替たら安定的に食料が確保できるぞ」
「何言ってるのよ。長期滞在する気にならないでよ。早くこの部屋から脱出することを考えてよ」
「そうよ真子っちゃん」
「まあでも出られるあてもないしな」
ケントは早々に死んでしまったが長期滞在を想定し土の妖精は生かされた。




