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第5話 舌の使い方を褒めてほしい

花見はなみサクラは舌の使い方が上手いらしい。

私とサクラとヒマワリはいつも昼食の1ときに利用する高校の渡り廊下にある背もたれの備わったベンチで雑談をしていた。

三人とも昼食は食べ終えていて、私たちは適当な会話を楽しんでいた。

その際、サクラがチューインガムを膨らませられるという話をした。

私やヒマワリは実際にチューインガムが膨らむところを見たことがないので、今から実演するというサクラに期待を寄せた。

「舌の使い方が大事なんだよ。上手くできたら褒めてね」

そういって、いとも簡単にサクラは口に入れたピンク色のチューインガムを膨らませた。

「すごく上手だね」

「達人の域だわ」

私とヒマワリは感嘆の声を上げてから、サクラを褒めたたえた。

サクラはチューインガムを包み紙で処理してから、「これはどう?」といって口笛を吹いた。

「口笛吹けたことない」

「同じく」

私が言うと、ヒマワリが同調した。

「ルルルルルルルルルル」

サクラは今度は巻き舌を実演した。

「サクラってなんだか舌と舌を絡めさせるのが上手そうね」

私も同意見だけれども、恥ずかしいので口にはしない。

「サクラが口を開けていると、スミレが想像してしまわないか心配だわ。あっ、そうだ。私の口蓋垂をみてちょうだい。いや、見るべきなのよ!」

私の右隣に座っているヒマワリは口を大きく開けて、奥まったところにある垂れ下がった突起物を私に見せた。

「私の口蓋垂見てたらサクラへのいやらしい気持ちも吹き飛ぶと思うの」

「たしかに、これでサクラの口のなかを見ても、ヒマワリの口の中を思い出すかもね」

「またしても、性的な展開を阻止してしまったわ」

そう高らかに宣言するヒマワリは得意げな顔をしている。

サクラも口蓋垂を私に見せてヒマワリに対抗するのかと思ったけれど、どうやら彼女にとってそれはとても恥ずかしいことのようだ。

私とヒマワリを会話を聞いていたサクラの頬はいつもよりも赤く染まっているような気がしたけれども、私としてはサクラの新たな一面が知れたことが何よりも大変満足だった。


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