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第11話 あまりにも暇なのでライトノベル≪百合ハプニング≫の第7話についてネットの動画配信で語り尽くす
私、楽満スミレは毎日のほとんどを自室で過ごしている。
「なにかしてみたら?」と仲居たちが昼休憩に入っている時間に自室にやってきたサクラは言った。
「なにかって?」と私は返す。
「≪百合ハプニング≫のライトノベルの宣伝配信をするのはどうよ?」
「いいかもね」
再びのサクラの問いに私はそう答えた。
私は機械の類にはとても疎いからネットの動画配信の準備は全部、サクラにしてもらった。
「≪百合ハプニング≫はシリーズものだから、どの話数について語るかだよね」
「たしかに」
「7話がいいんじゃない?」
「あぁ、下着回の」
「そう、それ。幾何学模様の霊のいたずらで下着姿でないと授業を受けたくない生徒が続出して最後は寵愛女子高校の全校生徒が下着姿で一日中授業を受ける回」
そうして私たちは≪百合ハプニング≫の第7話のあらすじをまとめる動画をネットで配信したのである。