第10話 テレビアニメ≪百合ハプニング≫の第8話で幾何学模様の霊の仕業で「エロい」しか言えなくなるみたいに、「激くぅ~!」を使いこなしていると気付いてほしい
笹倉アサガオは≪湯宿なごむ≫の露天風呂の乳白色の湯を「ミルク」と呼ぶ。
そのことは、今日、久々に五人で露天風呂に浸かっているときにわかったことである。
「ミルクのこと考えてたら激くぅ~したくなっちゃった」とアサガオ。
「激くぅ~って何!?」と私が言うとアサガオはこういった。
「激くぅ~は激くぅ~だよ」
そうして、アサガオに同調し始めたサクラとヒマワリとスイレンが激くぅ~とやらを開始した。
私以外の四人は円を描くように肩身を寄せ合って、腕を動かしているようだが、何をしているのかはよくわからない。
「今、私、三連続くぅ~が来てる! もう少しで激くぅ~来るよ!」
スイレンがそう言ってから、四人の腕が激しく動き始めたが、あいかわらず何をしているのかはよくわからない。
「私、激くぅ~来てますわ!」とヒマワリは言った。ヒマワリはのぼせているからなのか恥ずかしさからなのかよくわからない赤らんだ頬をしていて艶めかしく思えた。
「テレビアニメ≪百合ハプニング≫の第8話で幾何学模様の霊の仕業で「エロい」しか言えなくなるみたいに、「激くぅ~!」を使いこなしていると気付いてほしい」とサクラは言った。
「だから、激くぅ~ってなんなのよ!」
私の渾身の叫びをよそに四人はどこまでも激くぅ~とやらに耽るのだった。