表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢うつつ  作者: 久遠玉露
1/3

1

 目が覚めると、冷たい床の上に横たわっていた。何も敷かず、毛布も何もかけずに寝ていたから起きてしまったのだろう。

 真っ暗で何も見えないと思っていたが、気づけば目が暗闇に慣れている。横たわったままでも手の届く範囲のものはぼんやりと見えるようだが、形を捉えようとすると途端に輪郭が歪曲していく。

 手当たりを求めて、闇の中で輪郭を揺れ動かす像の正体を突き止めようとするが、伸ばそうとした腕を強く引き止める重みがあった。

 ジャラジャラと金属の輪の擦れ合う音が、虚空のようだったこの暗闇の中で唯一響く。私の腕が伸びては萎れる度に、鎖は床に叩きつけられ、ギシャンッと不快な音を出す。

 その耳障りな響きに癇癪を引き起こし、向こう見ずに腕が強引に動かされては力尽きるというのが数回繰り返されたのち、残響を伴いながら、手枷が装着された両腕に床の冷たい感触が戻ってくる。

 暫く呆然としていると、両脚も何かしらの道具で固定されていることに気づいた。少しでも動かそうとするものならば、固い輪状の拘束具がそれを阻む。

 一体私がどんな脈絡で、暗闇の中でこのような拘束を受けているのかなど、見当がつかない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ