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目が覚めると、冷たい床の上に横たわっていた。何も敷かず、毛布も何もかけずに寝ていたから起きてしまったのだろう。
真っ暗で何も見えないと思っていたが、気づけば目が暗闇に慣れている。横たわったままでも手の届く範囲のものはぼんやりと見えるようだが、形を捉えようとすると途端に輪郭が歪曲していく。
手当たりを求めて、闇の中で輪郭を揺れ動かす像の正体を突き止めようとするが、伸ばそうとした腕を強く引き止める重みがあった。
ジャラジャラと金属の輪の擦れ合う音が、虚空のようだったこの暗闇の中で唯一響く。私の腕が伸びては萎れる度に、鎖は床に叩きつけられ、ギシャンッと不快な音を出す。
その耳障りな響きに癇癪を引き起こし、向こう見ずに腕が強引に動かされては力尽きるというのが数回繰り返されたのち、残響を伴いながら、手枷が装着された両腕に床の冷たい感触が戻ってくる。
暫く呆然としていると、両脚も何かしらの道具で固定されていることに気づいた。少しでも動かそうとするものならば、固い輪状の拘束具がそれを阻む。
一体私がどんな脈絡で、暗闇の中でこのような拘束を受けているのかなど、見当がつかない。