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細胞分裂、何回目?

作者: 大里シキ

ブサイクな主人公ともう1人の楽しい学校の中での話。

「君ってどんな人間?」

こう聞かれたらどう返す?僕ならどうかな、卑屈で仮面を何個も持ってて、不清潔な顔面で、人と目を合わせて喋らない人かな。あ、でも嫌いな人、敵対してる人だと目を合わせて喋るね。



「それで、君ってどんな人間?」

「はぁ?いきなり何?」

僕の話し相手が少し機嫌が悪そうに言った。


「僕の彼女のことで聞いて欲しいんだけど」


「話振っといて無視かよ、てか何?ノロケなら聞きたくないんだけど」


「僕と彼女は遠距離恋愛でもう全然会ってないんだ。LINEも2週間に一回あればいい方なんだ」


「それ付き合ってるっていうの?あーでも付き合って何年目だっけ?」


「4、5年だったかな。でも会ってないけど連絡とかすると恋人って感じの空気感だし、ほんとに好きだよ」

相手はつまらなそうに話を聞く。そりゃそうだこの人は僕の彼女に会ったことないしね。


「それで?本題は何?まさか本当にノロケだけで終わらないよね?」


「ずっと会ってないんだから僕の容姿も変わってるだろ?それに考え方だって前会った時から少しは変わったはずだ。つまり何が言いたいかと言うとね、彼女が好きなのは過去の自分で今の自分はそれと離れてしまっているんじゃないかと不安になっているわけなんだよ」


「ふーん、でもそれは君にも言えるんじゃない?」


「そうかもしれない、僕も彼女を昔の姿のまま見ているのかもしれない。人は生きてる限り細胞分裂をして新しくなっていく、昔会った時の彼女の細胞は消えてるのかもしれない。次会った時の彼女はほんとうに彼女なのだろうか」


「でも細胞分裂ってその人の情報が入ったDNAが増えてくんでしょ?そんな変に考えなくていいんじゃない?てゆうかあれでしょ、君、彼女に会う勇気がないんだ。確かにそんな顔面ニキビまみれじゃ相手も可哀想だ」


そう言った彼の黒い目は蛍光灯の光で少し光っていた。



これもまた現実逃避なのかもしれません。

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