フレイヤ
一同目を見合わせる
新しいクエストが出た
またとんでもなく危険なクエストなら勘弁だぞ?
女「やるのかやらないのか」
いや、出るためにはやるしかないだろう
ユ「やりますよ」
メ「それでその魔族の残党っていうのはどこにいるんだ?」
女「どちらにしてもそこへ行こうとしてもまた迷うだけだ
私が案内しよう」
すると木の上から1人、少年らしきエルフが慌てて降りてきた
少年「村長様が行く必要はありません!
私が行きます!」
女「いや、私が行く
あの場所は穢れが強いからお主では近づくだけで倒れるだろう」
少年「そうですが…」
女「口答えは許さん、散れ」
その声と同時に周囲から気配が消えた
女はしばらく険しい顔つきをしていたが、急に緩んで
女「はぁぁぁー疲れた…」
と、先程までとは別人のような立ち振る舞いになった
女「ワシの名前はフレイヤ・エルフィンじゃ
エルフ族のファミリーネームは皆エルフィン、覚えておくとよいぞ」
おいおいさっきまでの凄みはどこへ行ったんだよ…
めっちゃフランクな感じになってるぞ
フ「なんじゃお主ら黙って?」
マ「あ、いえ、すごく雰囲気がお代わりになられたので…」
フ「そんなに畏まらなくても良いぞ?」
メ「あの、すいません、とりあえずこれだけでも」
フ「ん?」
ファサっとメイセイは自分の着ていた上着をフレイヤさんにかけた
実はメイセイ、私より余程女性に対しての抵抗力がない
肌の露出が多いフレイヤを目の前に、気が気じゃなかったのだろう
可愛いヤツめ
フ「うーん、動きづらいのう…」
メイセイの服に袖を通しながら不満そうに呟く
フ「まぁいいか!
暖かいし気に入ったぞ!」
ユ「ところでその、めちゃめちゃフランクになったのはどういうことですか?」
フ「他の奴らには内緒じゃぞ?」
ユ「はい」
フ「ワシは元々こういう性格なのじゃ
村連中がいる手前、威厳ある姿を見せなきゃならなかったがあの喋り方は窮屈なのじゃ!」
切り株に座りながら足をバタバタさせて子供っぽくわがままを言うフレイヤ
え、この人ほんとに村長なの?
フ「じゃからお主らもその…「フランク」って感じに接して欲しいのじゃ!」
ユ「わかりましたよフレイヤさん」
フ「さんじゃなく呼び捨てでいいのだ!」
ユ「わかりました、フレイヤ」
フ「うん!それでよい!」
そもそもメイセイ以外の人を呼び捨てにすることは慣れていないんだが…
するとマホさんがこっちに詰め寄ってくる
怖いんだけど
マ「ユウさん!」
ユ「は、はい!」
マ「その、私の事も、呼び捨てにしてくれて、いいんですよ…?
友達ですし!」
ユ「わ、わかりました!」
何だこの生き物は可愛いな
対抗意識ってヤツ?
そして私は1番彼女に聞きたいことを聞く
ユ「フレイヤ、100人クエストの時私たちを助けてくれたのはあなたですか?」
フ「詳しいことはこれが終わってから話すが結論から言うとそうじゃ」
ユ「やはりそうでしたか」
まぁいい、どちらにせよこのクエストはクリアしないと森を出られないからな
フ「フフーン?
しかし楽しい旅になりそうじゃのう」
メ「てかフレイヤはそんな見た目だけど村長って一体いくつなの?」
フ「エルフを見た目で判断しちゃいかんよお主
あと、女性に年齢は軽々しく聞くもんでもない
わしは寛大だから答えてやろう
大体200年は生きておるぞ?」
一同「200年!?」
フ「エルフは長寿だと言っておろうに
いちいち驚いてたら身が持たんぞ?
それより、主らの話じゃ」
そういえば自己紹介すらすんでなかったな
私達は自己紹介をした後、森やエルフについて色々話を聞いた




