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エデンズサーバー  作者: I.B
3/30

死の作戦

ゲ「何を言っているんだ!

友人だろう!?」

マ「本当です!」

ユ「理由があるんだろう?」

リ「そりゃあるんだろうけど…」

メ「マホが蘇生魔法を覚えてるということはこのゲームは死んでも復活できるということ

五分五分の確率だから復活出来なかった場合はクエストを終わらせてすぐにユウをログアウトさせれば問題ないっす

こんな大規模なクエストでもない限り簡単に死ぬことはできんから今のうちにデスペナルティを知りたいんす」

ゲ「簡単に言うが…」

ユ「私は大丈夫ですよ

何より私も知りたい

協力してくれませんか、マホさん」

マ「本当は人が死ぬところなんて見たくありませんし協力したくありませんが、ユウさんがそういうなら…」

メ「よし、でも簡単に死なれても困る

死ぬタイミングはユウに任せるぞ」

ユ「りょーかい!」

メ「もう戦闘中のプレイヤー達を見る限り一体一体はそこまで強くはない

あれだけの数でも十分やり合えるはずだ

それじゃあみんな、行くぞ!」

一同「おう!」



陣形としては最前線に私1人

その20mほど後方にいつでも死体回収ができるようにメイセイ

更にその5mほど後方にマホさんを守る形でゲンドウさん、リョウさんが並んだ


そして


ユ「さて、死にに行きますか!」

マ「あの…

絶対蘇生させますから!絶対!」


確率は五分五分

でもこの言葉は確実に蘇生できると思わせてくれるくらいの優しさがあった


ユ「ありがとうございます、マホさん

しっかりお勤めこなしてきますよ」

メ「死んだあとはこっちに任せろ」

ユ「ああ」


私は敵陣に突っ込んで行った


まずゲンドウさんが広範囲魔法で敵の数を減らす

が、直撃を避けた奴らは辛くも生き残っていた

そいつらをできる限り多く仕留める


魔族の戦士 レベル5


このぐらいならソロでも倒せるしこの数ならレベリング効率もいいだろう


メ「お前の役目はただ死ぬ事じゃない

最前線は最も敵の数を減らしやすい

そして敵の目をお前に釘付けにするんだ

一体でも多く仕留めてこい」


このゲームはレベルアップのタイミングでHPが全開する仕様だ

敵を倒しているうちにレベルアップするから回復はそこまで気にしなくてもかなりの数減らせそうだ

しかし敵も大群

私を抜け、後ろにいるメイセイの方まで敵が行き始めた


ユ「挑発!」


レベル3の時に覚えた技だ

文字通り周りの敵の注意を引きつける

半径20m程の敵は完全に私をターゲットにする


敵「グルル…!!」

ユ「やっべ」


…そんなに怒んなくてもいいじゃない…


後方の敵も全てこちらをターゲットにするので全方向囲まれた状態になってしまった

後先考えずに使ったのがまずかったかぁ…

このままでは回復の速度が間に合わない


ここまでか…



「おーい!」


近くで戦っていたプレイヤー達が挑発により敵がこっちに集まったことで私をターゲッティングしている敵を後ろから倒してくれているようだ


倒しているうちにレベルが8、9、10と上がって行きはしたが、さすがにレベルがかなり上がりづらくなっていた

10に上がり、もうすぐレベルアップというところで後ろからの攻撃を防ぎきれず、モロに受けてしまった

それでも食い下がり続けたが…


メ「ユウ!!」


ある程度の敵を倒した後に群がる敵の中からメイセイが助け出してくれたのは、ぼんやりと意識はあるが体を動かすこと、話すことすら全くできない私の死体だった



マ「絶対に生き返らせます!

帰ってきてください!

蘇生魔法、リヴァイブ!」


マホさんの声が聞こえたと同時に少しずつ体の自由が戻ってきた

意識がはっきりした時、泣きながら「良かった…」というマホさんの膝枕で寝ててこのままマジで死んでもいいと思った

ほぼ初対面の私にも泣いてくれるこの子は本当にいい子なんだろう


メ「蘇生してすぐでスマンがペナルティは?」


少しくらい休ませてくれ

そして浸らせてくれ

でも、実際私も気になる

まだ力が戻りきってないからもう少し堪能しながらでいいか


マ「そんなに急かさなくても」

ユ「いや、大丈夫、メニュー」


ステータスを開く

レベルが10から9にひとつ下がっていてその分のステータスが落ちているが、それ以外は数値的には変わらない

数値的には


ユ「レベルがひとつ下がった」

メ「それだけか?」

ユ「引っかかることが一つだけある」

メ「なんでもいい、言ってくれ」

ユ「レベル10になってから蘇生されるまでの記憶が無い」

メ「一時的じゃないのか?

…いや、待て、ダイブゲームで記憶が飛んだことなんてあるか?」

ユ「消されたと考えれば」

メ「…どうやら、思ったより重いペナルティだったな」

補足説明


端末


リストと接続して物体を電脳世界にダイブさせる機械

人間などの生物だけでなく食べ物や資源なども運ぶことが出来、様々な用途に使われる

ダイブした履歴が半永久的に残り、ダイブ者が不測の事態に陥った時端末から呼び出すことで過去の肉体ではあるが強制帰還させることが可能

その際、ダイブ中に得た記憶や情報は全て消去される


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