嫉妬のアスモデウス
メ「なーんでみんな連絡してくれねぇんだよ」
ユ「メイセイ!
無事だったか!」
メ「俺の手にかかれば楽勝よ!」
フ「随分早い帰還じゃのう」
フレイヤが威圧的にメイセイに問いかける
フ「お主に出した課題はそんなに簡単なものではなかったはずじゃが?」
メ「どうしたんだよフレイヤ
あれくらい楽勝だったって」
フ「一緒に行動してたランはどうした?」
メ「ここに来る途中ではぐれちまってな」
フ「なら最後に聞こう
お主に宿っておるまとわりつくような穢れはなんじゃ?」
メ「穢れ?
何の話だ?」
マ「あれは!」
ユ「メイセイじゃない!」
神を宿したことで感じることが出来るようになったのか、相手が強大だから感じたのかは分からないが2人は目の前のメイセイの姿をした『何か』から重く暗い穢れを感じ取った
フ「全員奴から離れろ!」
先に状況を察知していたフレイヤが飛び退き、ユウもマホの手を引きながらメイセイから距離をとる
メ「何言ってんだよ!
俺はメイセイだぜ?
ふざけるのやめろよな」
3人は奴がメイセイでは無いと確信を持って言えた
何故なら奴からは一切の神聖力も感じなかったからだ
フ「流石にその程度の変装は通じぬぞ?
正体は分かっておる
はよう本当の姿を表せ」
メ「お前ら全員もう神宿しかよ
なんだ面白くねぇ」
瞬きをしたほんの一瞬
次に目を開けた時にはメイセイの姿はなく、そこにはユウには見覚えのない別の人物が立っていた
フ「お主、とうとう体を手に入れたか
魔族幹部の1人【嫉妬のアスモデウス】!」
マ「あれは、アカネ!?」
アスモデウスと呼ばれた者の姿はユウには見覚えがなかったが、マホの友人であったアカネそのものだったようだ
アス「あれ、この宿主知ってんの?
この間会った時の帰り道落ちてんの発見してそのまま使ってんだよね」
マ「アカネの体に何をしたの!?」
アス「何をって?
取り憑いただけだよ?
新しくいい肉体あったらそっちに乗り換えるけどね」
マ「アカネを返して!」
フ「落ち着けマホ!
奴が取り付いているということはあれは肉体のみの死体じゃ
アカネの意識はここにはおらんのじゃ」
マ「じゃあアカネの意識はどこに!」
フ「今は分からん
とりあえず今は目の前の敵に集中せい!」
マホは明らかに動揺を隠せずにいる
目の前に助ける手段を探していた友人が現れ、それが敵だと言うんだから落ち着けと言う方が無理だ
フ「よく聞け2人とも
奴には厄介な能力がある」
ユ「変身出来るってやつですか?」
フ「その通りじゃ
じゃが弱点もあるのじゃ」
ユ「弱点?」
フ「奴ら魔族の幹部は穢れが強すぎるが故に魔族領以外の神聖力に溢れた場所に長居できんのじゃ
肉体を持っていることを考慮してもこの場で戦えるのは持ってせいぜい30分てところじゃろう」
ユ「つまり、それまで耐え凌げば」
フ「奴は撤退せざるを得なくなる」
ユ「耐えるのは得意です
任せてください」
マ「わ、私はどうすれば…」
ユ「全員私が守り抜いてみせます」