人影
ケンシが消えたと同時にユウとマホは暗闇の空間で意識を失った
次に目が覚めた時、2人はエルフの森の最深部で並んで寝かされていた
フ「お、2人とも目が覚めたか?」
ユ「どうやら…戻ってこれたようですね…」
マ「ユウさん!
手は大丈夫ですか!?
お怪我はありませんか!?」
ユ「だ、大丈夫ですよ」
マ「良かった…」
涙目になりながら過剰なまでに怪我の心配をするマホを見てユウは優しく微笑んだ
フ「どうやら無事に神を宿せたようじゃのう」
マ「はい!
そういえばユウさんはどうしてあちらの世界に入ってこれたんですか?」
フ「マホと同じ薬を飲ませたんじゃよ」
マ「あんな危険な薬をユウさんにも飲ませたんですか!?」
フ「あれは本来穢れを増長させる薬ではあるがな、少量なら近くの穢れに同調する事が可能なのじゃ
賭けではあったが成功してよかったわい」
ユ「賭けだったんですね…
さっきは絶対に大丈夫って言ってたのに…」
フ「どちらにしてもお主なら飲んでいたであろう?」
ユ「まぁ、そうですけど
その分向こうでかなり無茶しましたけどね」
マ「ユウさん、ありがとうございます!
これから私に出来ることがあればなんでも言ってください!」
ユ「な、何でもですか…?」
マ「はい!
何でもです!」
フ「このチェリーボーイは今よからぬ事を考えておるな」
ユ「よからぬ事なんか考えてませんよ!!
それじゃあ、これから怪我したらマホを頼りますね!」
マ「お任せ下さい!」
あぶねぇ、ほんとによからぬ事を考えるところだった…
へ『ユウに堪え性があって良かったよ…』
ユ「何も聞かなかったことにしてくださいね、ヘラクレス」
へ『分かってるよ』
マ「ユウさん?
何か言いました?」
ユ「ああ、いや、なんでもないですよ!」
フ「お主、アホじゃな」
しかしこれで、私もマホも神を宿すことが出来た
あとはメイセイだけか
フ「メイセイは恐らく最も困難な宿し方になっておる」
ユ「あいつなら大丈夫だとは思いますが…」
フ「ワシも奴なら大丈夫だと思ってその宿し方を選びはしたんじゃが、ちと連絡が遅いのう…」
マ「私心配なのでメイセイさんのところに向かいたいです!」
フ「その前にお主らには話しておかねばならん事がある」
ユ「なんでしょう?」
フ「お主らが宿した神の事じゃ」
マ「メイセイさんが宿した後じゃダメなんですか?」
フ「どちらにせよ奴は1人でクリアせねばならん試練なのじゃ」
エルフの森の最深部でフレイヤが語り出そうとした時、リンがそれを遮った
リ「フレイヤ様
何か来ます」
フ「ここへ来るということはエルフではないな?」
一瞬驚きつつも直ぐに平静を保ち声を潜める
リ「ランから連絡はまだありませんか?」
フ「まだじゃ」
ゆっくりと足音を立てこちらに近づいてくる人影
その姿が見えた時、それは話し始めた
メ「よお!
みんな無事だったか?」




