暗闇の中の光
リ「フレイヤ様、ユウさんが神の力を手に入れました」
フ『よくやった
早速で悪いがちょっとこちらの援護に来てくれぬか?
マホの恐怖心が思ったより数段強い
わし1人じゃ押さえつけられんかもしれんからの』
リ「かしこまりました」
その頃の崖下
ユ「ヘラクレスを宿しただけでこんなに強くなるなんて…」
へ『これでもほとんど力渡せてないんだけどな』
ユ「これ以上強くなれるんですか?」
へ『なんかユウの中に入ろうとしてもそれを阻害するものがあるんだよ
何かは分かんないけどな』
ユ「心当たりはないですね…」
へ『無意識だろうけどユウの意思に阻まれている感じではあるな
ほぼ初対面だしそりゃそうなんだけどな』
ユ「完全に心を開けていないって感じですか」
リ「ユウさん!
フレイヤ様からの伝達です!
直ぐにエルフの森のマホさんの所に来て欲しいとの事です!」
ユ「マホさんに何かあったんですか!?」
急いで崖下から登ろうと力を込めてジャンプすると崖を簡単に飛び越えることが出来た
もはや人間やめちまってんなこれ
マ「本当の愛を説いても恐らく彼は考えを変えることはない…
なら一体どうすれば…」
暗闇の中マホは1人悩んでいた
マホにはもうこれが本当の現実ではないことは分かってはいた
しかしここから出る方法、そして神を宿す方法が分からなかった
ケ「マーホーちゃん?
そろそろいいかい?」
ケンシがゆっくりと歩いてこちらに向かってきている
マ「戦うしか…ないんですね…」
ケ「そんな弱腰で俺とやり合えるとでも思ってるの?」
マ「やってみせます!」
体は震え、手に持っていたはずの杖はこの世界に来てからもう消えていた
丸腰のマホはで血の着いたナイフを持ったケンシに勝つことはほぼ不可能であった
ケンシがマホにナイフを振り下ろした瞬間
ユ「マホ!」
マ「ユウさん!?」
暗闇の空間にもう一度ユウが現れる
しかしさっき目の前で刺されたユウとは別の、恐らく本物のユウだった
ケンシが振り下ろしたナイフからマホをかばい、手のひらにナイフが刺さるユウ
刺さったナイフをそのまま奪い取ったあと手からナイフを抜き取りそれを放り投げた
ユ「いってぇ…
なんでだ…」
本来サーバー内で怪我をしても痛みはないはずなのに手に痛みが走る
ケ「またてめぇか」
ユ「こっちのセリフだよ」
マ「ユウさん!
手が!
手から血が!」
ユ「大丈夫です、何故か痛みはありますが」
マ「すぐに手当しないと!」
ユ「マホ…」
マ「もう目の前で誰かが傷つけられるのは嫌なんです!
誰もいなくなるのは嫌なんです!」
涙ながらに訴えるマホにユウは驚きつつもマホの中の何かが変わったことを察した
ケ「どうせすぐ俺が殺して楽にしてやるから安心しろよ」
マ「もう、誰も傷つけさせない…」
ケ「女1人で何が出来んだよ?」
マ「絶対に誰も、傷つけさせない!」
マホが叫んだ時、マホから眩い光が放たれ暗闇だった空間があっという間に明るくなった
ケ「なんだこれ!?」
ユ「ま、眩しい…」
マ「私は、私の大切な人全てを、守ってみせる!」
『あなたの愛、確かに見届けましたよ』




