友人の仇
ペットショップで猫を堪能し、次は服屋
マ「こんなのどうですか?」
ユ「わ、私のはいいですよ!」
マ「私がお詫びも兼ねて買いたいんです!」
ユ「それは…嬉しいですけど…」
選ばれるのが全部パーカーなんだよなー
パーカーは嫌いじゃないんだけどさ
結果まさかの白パーカーという被りを見せて、あいつらの前では着れないな…と思っていると、
マ「ここで着ていきませんか?」
変にテンション上がってね?
言われるがままに着る
ええい、ままよ!
ユ「ど、どうでしょう?」
マ「良くお似合いですよ!」
ユ「これでペアルックですね!」
マ「あ!いや!そんなつもりじゃ!!」
恥ずかしがらないでくれ、てか気づいてなかったのかよ
言ったこっちが恥ずかしいわ
メ「え、あいつら付き合ってもいないのにペアルックで歩いてるじゃん草」
フ「なんだかんだ積極的なのはマホかのう?」
メ「もどかしいな早く付き合っちまえよ」
フ(…多分今周りにいる全員が思っとると思うぞ?)
お互いペアルックを意識しすぎてうつむき加減で歩いていると、向こうからこちらに歩いてくる人影があった
マ「あれは…」
見たことの無い青年だった
顔はイケメンで服装もこちらに比べればオシャレだろう
青年「誰だその男は?」
マ「なぜあなたがここに…」
マホの知り合いのようだ
が、マホの怯え方を見ると流石に普通じゃない
ユ「どなたですか?」
青年「そいつの彼氏だよ」
マ「違います!」
青年「良いのか?
そいつお友達、なんだろ?」
マホは何か言い返そうとした言葉を飲み込んだようだった
俯いて何も言えずに震えている
ユ「おや、彼氏さんでしたか」
青年「そうだよ
だから返してもらっていいか?」
ユ「それはそれは申し訳ございません
でも、本人は違うと言っているようですが?」
青年「そいつと喧嘩して出ていったんだよ
だから話し合おうと思ってな?」
首を横に振りながら涙を堪えるマホ
流石にこんな大勢の前では言えることも言えないだろう
背中をさすっていると、
青年「俺の女に触るな!」
殴りかかろうとしてきた腕を掴む
ユ「何があったか知らんがこれ以上彼女を怯えさせるようなら…」
言ったと同時に青年に飛び蹴りが飛んでくる
メ「ユウ!マホ!大丈夫か!?」
ユ「メイセイ!助かった!」
フ「あやつ…良くない物に憑かれておるな…
お主らは一旦この場を離れろ
後で話は聞かせてもらうぞ?」
ユ「すまないが頼むぞ!」
マホの腕を取り、2人を残して私達は足早にその場を去る
フ「メイセイ!
奴は色々ヤバい!
警備員が来るまで時間を稼ぐだけでいいぞ!」
メ「分かってるよ!」
中庭まで出て、私とマホは2人の帰りを待った
フ「いやー、待たせたのう」
メ「アイツは警備員に連れてかれたよ
俺達は後日事情を聞くって」
マ「すみません、私のせいで…」
フ「お主のせいではないと思うぞ?
そもそも奴は魔族に憑かれていた」
ユ「なんですって!?」
フ「そのことより先に、マホの事情が聞きたいのじゃがな?」
マ「分かりました…」
ユ「言いづらいならいいんですよ?」
マ「いえ、皆さんを巻き込んでしまいましたし、説明させてください」
マ「アレは私の友人の仇です」




