突然の出来事
『フィールドクエストを完了しました』
『10000ゴールド手に入れました』
『技 [パリィ] を覚えました』
『エルフとの共闘者の称号を入手しました』
『生存報酬として武器のレベルが1段階上昇しました』
『ドラゴンを狩るものとして、ドラゴンコアを入手しました』
『世界を元の状態に戻します』
100人クエストと同じアナウンスが流れる
報酬は前回より少ないようだ
そしてまた、世界が再生されていく
あれだけあった穢れがどんどん浄化され、美しい花々が咲き誇った
枯れ朽ちた木々は木漏れ日が漏れる広葉樹へと姿を変えた
フ「危なかったのう」
メ「アレで倒れてくれて良かったよ」
ユ「マホさん?」
マ「綺麗な…場所ですね…」
ドサッ
ありえない
ダイブゲームだぞ?
マホさんが膝をつき、そのまま前かがみに倒れるのを咄嗟に支える
ユ「どうしました!?」
返事がない
目を閉じていて呼吸が浅い
そして見るからに顔が青白い
フ「穢れにあてられてなおそこで戦い続けていたのじゃ
無理もない
エルフの村へ連れ帰ろう
そこでできる限りの看病はする」
ユ「ありえない…ダイブゲームで…そんな…」
メ「ユウ!早く運ぶぞ!」
ハッと正気に戻り、マホさんを担いで森の中心を後にする
マ「ユウさん…」
ユ「気づきましたか?
村まではすぐらしいのでもう少し我慢してくださいね、マホさん」
マ「ちゃんと…呼び捨てで…呼んで…」
ユ「わ、わかりました」
意外と元気なんじゃないかと一瞬安心したが、彼女が今どういう状態なのか分からないのに安心なんてしてる場合じゃない
ひたすら走り、エルフの村に着いた
そこは巨大な木々が立ち並び、それをくり抜いて家を作ったような場所だった
『エルフの村をマッピングしました』
そんなことはどうでもいい
とりあえずマホさんが安静にできる場所を用意してくれ
フ「誰か!
穢れを払う薬を用意せよ!」
エルフ「村長様!
穢れを払う薬は神々の秘薬!
人間に使ってはなりませぬ!」
ユ「薬があってそれで彼女が助かるなら早くよこせ
お前らのために穢れを払った結果こうなったんだ」
エルフは私に一瞬怯えとも見える表情をした
メ「落ち着けユウ
フレイヤが居るから大丈夫だ」
メイセイが止めに入る
フ「ユウの言う通りだ
四の五の言わずに早く用意しろ
彼女は私の部屋で看病する
用意が出来たら私の部屋へ持ってこい」
エルフ「かしこまりました…」
不満そうだが薬は用意してくれるようだ
フ「上へ行くぞ
私の家は1番上じゃ
エルフの中には人間を良く思っとらん連中も多い
ちと遠いがワシの部屋が一番安全じゃ」
ユ「わかりました、急ぎましょう」
ほかのエルフに聞かれないように小声で話す
私達はマホさんを担ぎながら猛ダッシュで1番上を目指した
村長の家に着く間、エルフの人間を軽蔑してるかのような目が背中に刺さり続けた
フ「そこに寝かせてやれ」
部屋に着いた時私とメイセイは息を切らしていたが、フレイヤは全く涼しい顔だった
さすがに抱えながら階段数百段は死ぬかと思ったぞ…
マホさんをゆっくりとベッドに寝かせ、薬が届くのを待った
フ「先のエルフの態度、村長としてお詫び申し上げる」
畏まった顔でフレイヤは続ける
フ「エルフは神々が去った後、戦争を起こし、魔族を生み出した人間を忌み嫌っているのじゃ
ワシはかつて人間と関わったことがある
じゃからお主らを信頼できたが、そうでない者も多いことを理解してくれ」
ユ「わかりました
薬さえ届けばもう関わることは無いと思いますので」
フ「残念じゃが、そういう訳でもないと思うぞ?」
ユ「どういうことですか?」
フ「少なくともワシはお主らに同行する」
ユ・メ「…ん!?」




