3/15
蔡
武館
「明日の大会。準備万端だろうな」初老の男が言った。
「はい。蔡先生」伊が答える。
「翡翠拳を使う奴が現れるかも知れん。監視を怠るな」
「はい」高は答えた。
「先生。翡翠拳とはどの様な拳ですか」二人が聞く。
「言葉で説明するのは難しい。が操る者は無敵の強さを発揮するという秘拳だ。会得した者は拳脚から強烈な気を発する」二人は顔を見合せる。
「現在、誰が会得したか不明だ」蔡は言った。
「明日は全国から選りすぐりの武術家が集まる。その中に翡翠拳を会得した者いるかも知れん」蔡はそう言って部屋を出て行った。