伊と高
男が酒店で食事をしていると二人の青年が店に入って来た。
二人は酒と料理を注文し飲み始めた。
「明日の大会は一問の名誉のため、負けられない」
「ウム。その通りだ」
そこに男達がやって来た。
「いたぞ。アイツだ」
男達は一人、食事をしていた男の席に向かった。
「おい、お前。この街であんな事して只では済まんぞ」男達が言った。
男は箸を置いて「どう済まないんだ」と聞いた。
「つまり、こうゆう事だ」と言いながら男達は男に拳脚をふるい攻撃して来た。
男はテーブルから飛びのくと構えた。
男達の拳脚を受け流し、攻撃を返す。
その有り様を二人の青年は見ていた。
男の拳脚が男達にヒットしていく。
「これはたまらん」と男達は逃げて行った。
二人の青年は男に声をかけた。
「素晴らしい腕前。明日の大会に出るのですか」
「大会。知りませんね」男が答えた。
「是非、出場すると良いですよ。賞金も出ますし」二人は言った。
「ほう。そうですか」男が言った。
「御名前は、我々が推薦します」
「龍と言います」
「龍さん。じゃあ明日、会場でお待ちしてます。我々は伊と高と言います」そう言って二人は店を出て行った。
「大会ね」そう呟いて龍は二階に上がって行った。