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汚い強い男
明末清初
中国
広東
街にほろ汚い男がやって来た。
不精髭を生やし、伸びた髪の毛はボサボサで脂ぎっている。
着ている服もボロボロ。
何とも冴えない出で立ちだ。
男は道の端にどっかと座り、目の前に皿を置いた。
チャリーン、チャリーンと銭を皿に入れる人もいた。
が、大方の人は悪臭漂う男を避けて歩いて行く。
男は時折、アクビをかきながら退屈そうにしている。
「おい、お前。こんな所で何やってる」
チンピラ風情の男達が寄って来た。
「見りゃ分かるだろ」と男は言った。
「誰の許可得ているんだ」とチンピラ風情が聞くと「知らねえよ。そんなの」と男は答えた。
「野郎。舐めやがって」と言いながらチンピラ達は男を蹴飛ばした。
しかし、蹴りは空を切った。
「アレレ」チンピラはバランスを失い、つんのめった。
「ハハハハハ」その様子を見て男は笑った。
「チクショー」チンピラ達は男を取り囲んだ。
チンピラ達は男に蹴り、突きを出した。
が、男は捌いて受け流す。
やがて、男は反撃に転じ、突き蹴りを出してチンピラ達をダウンさせた。
男は皿を持って歩いて行った。