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先生は、学校と交渉して、生徒のカウンセラー(!)としての仕事につきました。ボランティアなので、給料が出ないのですが、と、申し訳無さそうに言われたときには、給料もらうつもりだったのかよ!と、言いそうになりました。


リリアちゃんも学校に戻り、ローランド殿下が学校に来る、という噂が広まりました。(実はリリアちゃんが広めたのですが)生徒たちは浮き足立っているそうです。


生徒たちが各家庭にその話を持ち帰り、各家庭がまたそれを巡ってローランド殿下にどのような態度で接するか、議論が戦わされているようです。


生徒たちがまだ態度を決めかねているところへ、また新たな噂も流れて来ました。エドワルド王太子のマーガレット王女との婚約が白紙に戻されたらしい、隣国の王女の代わりに、国内の貴族女性から次期王妃が選ばれるであろう、というものです。(誓っていいますが、これはリリアちゃんが広めたものではありません)


この衝撃的な流言によって、生徒たちは大混乱です。なにせ、適齢期の女性の大半が学校に来ていますからね。色々な名前が候補に上がり、消えたり再浮上したりしています。


この混乱状態のせいなのか、それとも新たにリリアちゃんの護衛についた同級生のカイル・レキシントン君が有能なせいなのか、リリアちゃんに対する嫌がらせは鳴りをひそめています。カイル君は、レキシントン子爵の三男坊で、爵位を継ぐ予定もなく、騎士団に入るため、日夜修行を続けている好青年です。デュラント伯爵のお墨付きで計画に参加してきました。


王太子妃レースは、現在佳境を極めています。驚いたことにリリアちゃんの名前も一時上がっていたそうですが、いくらなんでも三人の殿下の三人ともとおつきあいするのはありえないということで、早々に候補からは消えたとのこと。安心しました。


現在有力視されているのは、リリアちゃんの親友でもあるジョージア・ユークリス伯爵令嬢、ナタリー・モーガン伯爵令嬢、そしてクリスティン・ウォーレン公爵令嬢だそうです。この中で、税金の不正をしたとみられているのは、モーガン伯爵家だけですね。


ユークリス伯爵は、財務長官でもあり、現在追徴課税の問題で、多忙を極めています。お父様は自分の娘を未来の王妃に、などと考える暇もないようですが、お母様がなかなかの野心家らしく、娘をせついて、王太子にとり入るよう強いているようです。


ジョージアさんは、リリアちゃん曰く竹を割ったような性格で、よいお嬢さんのようです。しかし、親に結婚話をいくつも勧められて辟易していたところを、降って湧いたような王妃候補の話で、現在はまるで萎れた花のようだとリリアちゃんが嘆いていました。ウォーレン公爵令嬢は、非常におとなしいお嬢さんのようで、王妃候補の話にも特に騒ぐこともなく、ゆったり構えているようです。

となると、ナタリーさんですか。モーガン伯爵令嬢は、他の貴族の青年と婚約しているにもかかわらず、すでにそのことは忘れたように、王妃の席を狙っているそうな。現在は、取り巻き集めに必死だそう。婚約破棄をするのであれば、相手貴族を黙らせるためにも、それなりに違約金を支払う必要もあるでしょうし、取り巻きを集めるにも導入資金が必要になってくるでしょう。このあたりから動くかしら。


そもそもローランド殿下を学校という場に投げ入れて、周りがどう動くかで貴族の振り分けを行おうと思っていたのですが、ここへ来て王太子のお后候補の話が舞い込んできて、事態が複雑化してきました。


先生とリリアちゃんからの報告で見極めればよいか、と思っていましたが、うーん、直接確かめたいところですね・・・





こうしてカオス状態となった学校に、ローランド殿下が戻ってきました。



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