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カーターが慌てはじめました。


「デュラント伯爵って、司法長官ですよね!奥様、酷すぎます!ちゃんと話したのに、官憲に突き出すんですか!」


先生がため息混じりに


「あれのどこがちゃんと話したってことになるのよ。おまけに、話せば許すなんて誰もいってないでしょうに。」


カーターが体をよじらせながら喚いています。


「そんな、酷い!騙したな!」


バートさんを送りだした私は、静かに


「カーター、貴方が売った情報のせいで旦那様は殺されたのよ。貴方はそれが理解できないのかしら。」


と、言い渡しました。


「えっ?」


カーターはその言葉の意味がわからないかのように、全く反応しません。


「情報と引き換えに貴方にお金をくれた貴族の使用人は、旦那様の動向を伺っていたのよ。あなたの渡した情報から、旦那様のやっていることが、彼らの目的の妨げになると知って、旦那様を殺害したの。」


カーターだけではなく、立ち会ってくれていた使用人さん達にも衝撃が走りました。

カーターは所詮小物です。殺人に加担するほどの度胸はありません。もしそれだけの大胆さと知恵を持っていたら、今頃、借金を抱えて取り残されたりしないでしょうね。


「・・・俺は・・・」


「つまりね、貴方の関わっていた人たちは、殺人をも平気でやる人たちだということよ。そう言った人たちが、貴方にもう価値がないと考えているということ。貴方は用無しなのよ。

私が貴方なら今後、背後に注意するわ。余計なことを知っている貴方を生かしておくかどうかは彼ら次第ですもの。危ないと思ったら、貴方ぐらいの存在、すぐに消してしまうでしょうね。」


真っ青になったカーターが叫びます。


「俺は何も知りません!」


「貴方はアッシュワースを知っているでしょう?それは、彼らにとって、非常に不味いことなのよ。貴方は、アッシュワースが誰なのか、指摘できるんですもの。」


カーターが考え込んでいます。


「昨夜はアッシュワースが貴方を見逃してくれたけど、彼の仲間はどう考えるかしらね。貴方ときたら、また、のこのことスタイヴァサント家に戻ってきたんですもの。知ってることを洗いざらいしゃべってると思われてるかもね。」


実際そうなんですけど。


「もしくはそうなる前に消してしまおうと考えてるか・・・」


先生が、助っ人に入ってくれました。


「あら、むしろカーターを解放して叩き出した方が良いのですかね?その方が面白いものが見れそうだわ。」


カーターは縛られた足で立ち上がろうとして、椅子から落ちてしまいました。


「い、いやだ!俺は人殺しなんてしてない!人殺しの仲間なんかじゃない!」


ナイアック公爵も貴方のことを仲間だとは考えていませんよ。私は心のなかでそう言いながら、使用人さんたちにカーターの縄を解いて、元の自分の部屋に閉じ込めて見張るように言いつけました。


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