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「さてと、旦那様、ここからどう進めましょうかね。」


私は、またもやワイン片手に、居間の絵の旦那様に語るともなく話しかけています。


準備は着々と進んでいます。10冊の帳簿は、無事に、いろいろな店に収まり、練習用として書き込みが進行しています。あとでお借りするかもしれないので、あくまで代用品の帳簿として使ってもらっています。


ジュリアちゃんは毎日違った店を回って、帳簿がきちんとつけられているか、確認してくれています。先生によく似た、とても聡い子です。このシステムが軌道に乗ったので、ジュリアちゃんには、見習い会計士としてお手当を支払えるようになりました。


「うーん、どうしても実働部隊が必要かなぁ。」


使用人の(密告者)問題にしろ、ナイアックから他の貴族に流れている付け届けにしろ、机上の調査には限りがあります。実際に動いてくれる人が必要です。例えば、(密告者)の後をつけて、どんな行動をとっているか調べてくれる、探偵ができる人ですね。鼠に関しては、先生が「私が尾行します」と、名乗り出てくださいましたが、これは、もちろん、丁寧にお断りいたしました。


お互い顔を知っているもの同士の尾行なんぞ、うまくいくはずがありません。


「旦那様、腕のいい税務調査官とか知りません?」


いないかなぁ。この時代。


ブツブツ独り言をつぶやいていると、リリアちゃんが入って来ました。


「お母様、今、お話してもよろしいですか?」


「ええ、もちろんです。」


リリアちゃんは、考え考え、言葉を選ぶように話し始めます。


「第2王子のフィリップ殿下が、お戻りになってることはお話しましたよね。」


「ああ、婚約破棄の時には、隣国に行ってらっしゃったのよね。」


「ええ、エドワルド王太子の婚約をまとめるために、王太子の代理として隣国の王女に会っていらっしゃったの。」


「そう。婚約はうまくまとまったの?」


「そうらしいです。王女様、なかなかの人物らしいです・・・まあ、とにかく、話しが纏まって、フィリップ殿下は、こちらに戻ってらっしゃったのね・・・」


えーと、この話の何がそんなに言いにくいのでしょうかね?


「で、殿下と夜会で何度かお目にかかったんですが・・・今度お母様に、お目にかかりたいそうです。」


はい?


ここからリリアちゃん、一気に早口です。


「婚約を前提としたお付き合いをさせていただくのに、家長にご挨拶をさせていただきたい、と、おっしゃってます!」


はい!?


ちょっと、リリアちゃん!?ほんとに婚活しちゃったの?


皆様、日頃より、ブックマーク、感想、評価、ありがとうございます。

リリアちゃんの活躍の正念場がまいりました。せっかくの機会ですので、お母様視点ではなく、ここから数章、リリアちゃん視点で書いていきたいと思っております。物語の進捗が滞らないようにするつもりではおります。よろしくお願いいたします。

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