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未来編 ゲーマー琴音ちゃん!

ちょっと本編で躓いちゃったので閑話を。

そんなことより本編進めろ?はい、ご尤もでございます……。

今書いてるんで許してください、センセンシャウ……。


というわけで、内容としては未来の琴音様になります。

重大なネタバレはないと思いますので、読んでも大丈夫だと思いますが、どうしても気になる人は飛ばしても大丈夫です。

読まなくても本編には影響がないのでぇ。

 春もうらら。


 桜の花びらと共に吹く風は、まるで私を祝福するかのように優しく頬を撫でる。それと同時に耳に掛かっていた髪の毛が一房零れ落ち私の鼻をくすぐる。


 私は頬に掛かった髪をソッと耳に掛ける。随分と伸びた髪は気付けば背中の半分ほどまで届いていた。毎日のお手入れを欠かさず頑張ったおかげか、キューティクルが輝きサラサラとした髪は年相応の美しさを持っている。それだけでも私が成長したというのはわかるというものだ。


 身長は……そんなに変わりませんでしたが何か?


 そうですよ?私、牛乳を毎日飲むのも、適度な運動をすることも、成長ホルモンが分泌される時間にはぐっすりスヤスヤしていても、その努力の成果は3年で6cmという地味なものでしたよ?それが何か?お?


 お胸様は……まぁそれなりにですけど……ていうかそれだけが救いか……。


 私は新鮮な空気を肺一杯に取り込み。静かに吐き出す。


 それなりに大変な中学生活を送ってきた私ですが、これからも私として生きていかねばならないのです。認めてくれた人がいたから。こんな私を激励してくれた人がいたから。だから私は今日も……ううん、これからも前を向いて元気一杯にお姉ちゃんしていくのです。ついでに自分の幸せも掴んでいくのです。




 私は――高校生になりました。










 そして――ゲーマーになりました♡








「A拠点にもう敵入ってるよ!私裏からまわるね!」

「了解エノちゃん!うち、こっちで抑えとく!」

「自分もこっちでカバーしときます」

「あー……あたしは……陽動しとく……」

「俺はエノちゃんについてくよ」

「みんな頑張ってー!」


 私はヘッドセットから聞こえてくる仲間の声を確認するとすぐさま行動に移す。マウスとキーボードをカチャカチャとせわしなく動かし、画面の中のキャラクターを動かすのだ。


 敵残存勢力は3。


 数こそこちらの有利だけれど、その残り3人が厄介極まりない。前のラウンドでもここから人数を削られ全員やられてしまったのだ。逆境に強いのだろう。だけど、こっちだって負けたくないし!ていうか勝ち負けがあるゲームなら勝ちたいに決まってる!


 マップをグルッと大回りし、ある程度敵との距離が近くなったところで私はキャラクターを走るからゆっくりと歩くモーションに変える。そして銃を構えたまま静かに、そして着実にクリアリングをしながら進んでいく。限界ギリギリまで近づいたところで、裏取りをする相方のカミュ君と動きを止める。


 ヘッドセットからはドンドンパラパラ!と銃弾を撃つ音が激しい。時折シノノンの喘ぎ声……ん゛ん゛!哀れな叫び声が聞こえてきたり、やーさんのうわぁーという力の抜ける癒しボイスが聞こえてきたりする。状況から見てポイントの中は相当修羅場になっているのだろう。


 しかし私とカミュ君はまだ飛び出さない。何故ならまだ最善の時ではないからだ。ある人物の鶴の一声を私たちは信じて待っているのだ。


 マウスを握る手にはジットリと汗が出てくる。


 このラウンドを落とせば逆転負けをしてしまう。故に絶対に落とせない。なんとしてもこのラウンドを取らなければならない。そしてそれを勝ち取るためには私たちの突入タイミングが肝なのだ。


 私たちは信じる。


 チームメイトを信じて……そう、チームメイトを信じているのだ!その瞬間を!ただひたすらに!


 シノノンが脱落をする。その際に「アンッ」とか妙に色っぽい声を置き土産していき、私は思わず吹きそうになるが堪える。


 ついでやーさんが「こりゃあかん!ちょーおまっ!」と叫んでいる。ログ上ではまだ死亡通知は流れていないので倒されてはいないのだろうが、それも時間の問題だろう。


「よしっ!一人倒した……けど!こら無理やろー!!」


 やーさんが喜色にまみれた声を上げる。声の感じからガッツポーズでも取ってそうな感じだ。感じだ。しかしそれもつかの間、あっという間にやーさんも脱落。ログにやーさん死亡のログが流れる。


 まだか……まだなのか!早く突入しないと手遅れになる!ていうかもう手遅れな気がする!


 私はもう我慢できねぇ……トリガーハッピーだ!ヒャッハー!をするしかない、そう思った瞬間だった。


「エノっち、カミュっち……ごー」


 やる気のない声が聞こえた。そしてそれは私たちが待ち望んでいたものだ。


「カミュ君!私右!」

「エノちゃん!俺左!」


 私達はその声と同時に飛び出し敵の背後から銃撃を加える。私とカミュ君は言葉でこそ右左と言っていたが、言う前からお互いにその敵を狙っていた。別にすぐ隣でゲームしてるわけではないけれど、それでもお互いにどちらがどっちを狙うかというのを理解していた。ていうか私らお互いにわからないことないんで。マジベストパートナー。


 私たちが放った銃弾は綺麗に2名の頭に吸い込まれヘッドショットを決める。このゲーム――Glory of the Battlefield、略してGBはどんな距離であろうと頭に銃弾が当たれば一撃で敵を倒すことのできるオンラインマルチ対戦FPS。大規模な戦闘モードから少人数でのスピーディーなゲームモード。幅広い遊び方ができることで人気のあるFPSだ。ユーザー数も多く、シリーズを通して6000万人と多くの人に愛されている。FPSをやっている人なら知らない人がいないくらいだ。


 私はGB、とういかFPSを始めたのはほんの1ヶ月前だけれど、前世でもやりこんだゲームということで結構な経験がある。まぁ数年のブランクはあるので操作に慣れるまで1週間ぐらい要したんだけれど、知識があるのでそこでカバー。すぐにちょっとしたプレイヤーになれたよね。


 ゲームもやりたいなぁなんて思って苦節3年。いやぁ、ようやくですよ!ようやくゲームをやることができましたよ!もう楽しいよね!


 お年玉やお小遣いを貯めに貯めて買ったゲーミングPCと据え置きゲーム機。環境は整いました。これからはゲームライフも楽しんでいこうと思いますよ!あ、勿論まだ学生なので本文は勉強だけどね。前世ではそれで失敗しているのもあるし、私は中身に関して言えば大人だ。節度あるプレイングをしていかなければブラザーズに示しがつかないからね。


 まぁ、理想の姉たる私がゲーマーってちょっとどうかなとは思うけれど、やはりゲームを楽しみたいのです!


 けーちゃんもよーちゃんもゲーム大好きだし、話題を合わせるという意味ではありだと思うのよね私。なぁーんて言い訳をしてみたりもするけれど、完全にこれは私の趣味である。趣味の一つや二つ持たない人間ってどうよ?面白みに欠けると思わないかね?私はそう思うよ!


 さて、そんなゲームライフを堪能している私だけれど、私にはゲームを一緒に楽しむ仲間がいる。


 元気ハツラツでさっぱりした性格のシノノン。本当はシノって名前なんだけれどあだなでシノノンと呼ばれている。ていうか呼んでいる。元々ネットネームなんだからあだなみたいなもんかもしれないけれど、更にあだなをつけるというね。でも可愛いじゃんシノノン。シノノンの特徴はもう一つあって、敵に負けたりすると喘ぎ声を上げるという……うん、面白い。


 不定期で現れるけど、一緒に遊べば楽しいチカちゃん。彼女は他にも幅広いゲームをやっているので中々一緒に遊ぶ機会がないんだけど、その代り色んなゲームの面白いことを聞かせてくれたりと、とにかく一緒に遊んでて楽しい人物。


 声が幸薄い感じのやーさん。とにかく物腰が柔らかく、ネットフレンズみんなの潤滑剤のような人物。一番年上なだけあり落ち着いてて大人って感じ。癒しボイスだし。なんか子犬を連想させる。ゲーム中の不足の事態があったりすると慌てふためく姿が楽しい。


 ダウナー系な司令塔、トマリちゃん。とにかく声がダウナーという感じでいつも眠た気なんだけれど、状況判断に優れていていつも的確な指示をくれる。実際のプレイングスキルも中々高い。眠た気なくせに一体どんな操作をしているのだろうか?不思議である。特徴として、親しくなった人の名前の後に~ッチとか付ける癖?がある。ちなコミュ障予備軍。


 カミュ君。まぁ……カミュ君はリアフレって言いますか……フレンドとはちょっと違うんだけれど、とにかく一番良く知る人物。プレイングで言えば一番上手いしイケボ。コミュ力も高いのでみんなに好かれている愛されキャラっていうんですかね?まったく。


 そして私こと琴音はエノです。名前の由来?琴音って英語で書くとkotoneでしょ?だから後ろの文字を3つだけ逆から読んでエノとなりました。流石に前世で使ってた名前はけーちゃんと被りそうだったので変えた次第です。


 この他にもフレンドはいるのだけれど、今日一緒に遊んでいるメンバーはこれで全員だ。ていうかこれがほぼほぼ固定メンバーである。チカちゃんに関してはちょっと別だけどね。


 因みにこのメンバーだが、前世でも懇意にしていたメンバーである。死ぬ直前まで一緒にゲームをしたり、雑談をしたり、オフ会で飲みに行ったりとリアフレと呼んでも遜色ないくらいだった。故に今生でもなんとか出会えないかなぁと思ってクラン(チーム)を探していたら彼ら彼女らがいたので、思い切って飛び込んだしだいだ。カミュ君の場合は私が無理やり引き込みました。君に拒否権はありません。


 最初は中々大変だったよね。私は「キャーッ!懐かしいーー!!」って感じだけれど、向こうからしてみれば初対面だ。おかげでいつもの感じを出さないようにするのが本当に大変でした。しかーし!そこはコミュの高い琴音ちゃんです!ぐいぐいいってすぐに陥落させてやりました!一番の難敵はトマリちゃんだったけれど、彼女からは前世でもよく相談受けてたので、彼女がどういう人物かをよく知る私に死角はないよ!


 とにかく、私はこうして前世でも親友と呼べる友人たちとこうしてまた再会することができた。そして待ち望んでいたゲームができるのだ!これが楽しくないわけないでしょ!


 高校3年。勉強に部活とやることは沢山あるけれど、趣味だって両立させて充実した学生ライフを送ってやるぞー!そしてそして!ブラザーズをこれからも愛でて……じゃなかった。理想の姉としてブラザーズを支えてあげるのだ!

お読み頂きありがとうございます!


カミュ君が琴音ちゃんのリアフレ?となっていますが……一体誰なんでしょうね?

ヒントは琴音タソと同じようにリアルネームをアルファベットにしもじっているということでしょうか……。

イヤー、コレハワカラナイナァ……(すっとぼけ)

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