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第6話

今回は短めです。

いつも短いのに、クールホークは何をやってるんだ……!!

「あーあ。楓は死ぬし、喩菜ちゃんは元ヤンだし、皐は楓のことが、

好・き・だ・し? 」

私が少し皮肉を含んだ言い方をして皐のことを見た。

皐はまた顔を赤くする。

皐は可愛いから、楓に告ればOKしてもらえそうなんだけどなー。

(勿論楓と喩菜ちゃんが付き合う前にね? )


にしても、残り5時間とまで来たか。

残りの人数も14人だって、『情報屋』っていう名前の差出人からメールで届いたし。


因みに情報屋っていうのは、「〇〇が死亡」だとか、「残り5時間」だとかっていうのをメールで送ってくる人のこと。電話を手に入れてから、22個の新着メールが来てて、その中身を見たら、全部『情報屋』って言う名前の人からで、内容は「〇〇が死亡」とかだった。


ってか情報屋って誰……?


「……おり! 紫織!?

電話なってるよ! って、私もなってるじゃん! 」

急に皐が私に話しかけてきた。

「ん? あ、本当だ! 」

電話から、ピリッリリリッ!

という音が鳴っていた。

「んぁ……。コレ、電話じゃなくてメールだよ。誰からだろ」


ほぼ同時のタイミングで、皐と電話をパカリと開いた。ヒュオオオッ! と、背中に冷たい冷気が当たる。

なんだろう……。このメールが、嫌なメールじゃないといいんだけど。


!?


これまた、皐と私はほぼ同じタイミングで携帯電話の画面を見て絶句した。

こんな……。ただでさえ、この状況でこの残酷なルールはキツイのに……。


そのメールに書かれていた内容とは、


『情報屋。

只今より、逃走時間を日が沈むまで、ではなくて、明日の日の出までとする。私に歯向った者は、確実に死ぬと思え』


残り14人しかいないというのに、制限時間を増やすなんて……。

絶対クリアさせる気ないだろ!?


いや、クリアって一体何?

やつから逃げれればクリア?

それでも絶対に誰かは死んでるわけだから、本当のクリアにはならないよ……。


一体、どうすれば……?


こんな危機的状況の時、普通の人だったら、悲しみ、叫び、わめくだろう。

だが、ここは聖ハスカ。

この程度で慌てていたら、テストなんて受けられたもんじゃないよね。


「よし! なんとかして、まず先生を殺そう! 」

腕時計を締め直し、髪を1つに結ぶ。

深く深呼吸をして、パソコン室に向かうことにした。


**


「ここは前来たことがあるよね」

パソコン室には当たり前だが、パソコンがある。パソコンは、この前も使ったことがあるけど、どういうわけかわからないが、ネットが使える。


だからそのネットを利用して、人の殺し方……なんてものは載ってないにせよ、

なんらかの知識の足しにでもなるかな? 的な内容のことを調べていきたいと思う。


「じゃあまず、『人の殺し方』でも調べてみますか」

皐はそんな一見とんでもなく怖い発言を、いとも簡単にさらっと言いながら、

パソコンのキーボードで、『人の殺し方』と検索する。


そして皐があるサイトをクリックする。そこには、人をバレないように殺す方法があった。

まぁ、ぶっちゃけ殺すのに、バレルもバレないもないんだけどね、この状況だと。


「なになに? 毒キノコで毒殺がいい?? へー。でも毒なんて持ってないんだけど……」

皐はそんなことをぼやきながら、頭を抱えた。


んー。確かに私たちは毒キノコなんて持ってないしなー。逆に名門校の小学六年生が毒キノコなんて物騒なもの持ってたら大問題だけどね。


!?


「あ、いいこと思いついた! 」

私は突然大声を出した。

その私の声に、皐は少し驚いた表情を見せながらも、私の話にキチンと耳を向けるような体勢をして、真剣な表情で私を見つめた。


私の思いついたこととは、


「自己催眠って知ってる?

自分の思い込みの度が過ぎて、ないことも本当に感じちゃうってやつ。

たとえの例でいうと、目隠しを相手につけた状態で、冷たい鉄の棒を相手の腕に当てるの。その時に、

『コレはアツアツの棒です』

なんて言いながら当てたら、相手に棒を当てた部分が火傷しちゃうってやつ。それを利用してさ、先生に、

『これは毒キノコ。これ食べると死ぬよ? ほら食べろ! 』

みたいな勢いで無理やり食べさせて、

自己催眠で死んじゃったーみたいな?

無理か」


しゃべりながら、無理と確信した私は、自分の愚かさに少し苦笑してしまった。しかし、皐は意外にもそんなくだらない作戦にのって来てくれた。


「いいね! それ。だけどちょっと無理があるかも。まぁ、試してみるだけ価値があるってね! 」


んー。


確かに、試してみるだけあるのかもだけど、かなり成功確率は低いよね……。

一応名門校、聖ハスカの教師なんだし、それなりの頭脳はあると思うのよ。だから、いくら頭の狂ったクレージーな殺人鬼先生だとしても、

無理な気がする……。


まぁ、やってみるか。


こうして私たちは、先生を

『自己催眠毒キノコ作戦』

で殺すことにした。


まぁ、せっかくナイフもらったんだし、ナイフを使って倒すってのも悪くなかったかもしれないんだけどねー。


ま、いっか。


そこで私はふと思った。


パソコン室に来た意味、あんまなくない?


**


私と皐は、今、食堂に来ている。

なぜかと言うと、まぁわかっていると思うけど、キノコ(ノーマルの)を収集するためだ。


「キャーーーーーッ! 」

突然皐の悲鳴が聞こえた。

ってか、食堂って悲鳴率高過ぎマジワロタ。(絶対怒られる怒られる)


「ど、どうした!? 」

私は少し笑い混じりの声で言った。

皐は悍ましいものを見たかのような顔をして、私の方に寄り添って来た。

「ジ、ジジジ、Gーーー! (ゴキブリ)」


……。


「イヤーーーーーーッ! 」


私は無我夢中で食堂から脱出した。

あの時の私の顔、見て見たいものだ。


しかし、ゴキがいたとは。

いやー。きもいきもい。

でも、食堂に行かないと、この作戦が始まらないからなー。


まぁ、いっか。


ゴキより殺人鬼。


「いこ、勇気を出して! 」

皐の腕を引っ張って、急いで食堂の冷蔵庫に向かっていく。

そして、冷蔵庫からキノコを取り出す。なるべく毒キノコっぽいやつを。


そして、息を止めながら急いで食堂から出る。


皐は白目をしそうな顔をしている。

そんな皐を無視して、極限まで食堂から離れる。

ナイフでゴキを殺しても良かったけど、なんか飛び散りそうだからやめた。


はぁ。


ゴキからも先生と言う名の殺人鬼からも逃げないといけないなんて、なんて地獄なんだ。


まだこの作戦は始まっていないというのに……。



残り14人……と、ゴキブリ1匹。

日の出まではあとどのくらいだろう。

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