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第11話 最終回

今回はななんと! 最終回ですよ!

なんかあっさりしとんなぁ……。

ま、気にしないでね!

(因みに、『第2部』も作る予定です。

紫織の中学生 versionバージョンね)

まぁ、楽しんでってよね!

私と皐との出会いは、とても奇跡的なものだった。

まず、家が隣。

産まれた病院も同じ。


幼稚園で私は運動会でリレーのアンカーになってた。

ちなみに皐はその当時は一番足が遅かった。

私と皐は紅組になって、

紅組の担当の先生がものすごいリレーに熱心な人で、私と皐だけ特別レッスンをよく受けてたんだよね。

私はまぁ、アンカーだからすごい頑張れ! みたいな感じで。

皐は足が遅いから、頑張って少しでも早くさせようとしてて。


その当時の私の50メートル走のタイムは11秒。皐は18秒。


結果私は9秒まで縮めることができて、皐は14秒まで。

家が隣ってのもあって、よく特レス(特別レッスンの略ね)の帰りに2人で話し合って、お互いにタイムが縮まるように頑張りつつ、仲も良くなっていったの。

そしてさらに、小1の頃におなクラになってから、小6の今までずっとクラスが離れたことがない。

しかも高確率で学校では同じ班になる。

くじ引きなのになぁ。席替えは。



そんな皐と私が殺しあうことになるなんて、誰も想像していなかった。


喩菜ちゃんも楓も秦矢さんも死んだ今、残っているのは私と皐の2人だけ。このバカでかい10階建ての名門校、聖ハスカにいるのはこの2人だけ。

名門校で殺人ゲームが起きてしまい、

色々あったけど、やっぱりなって感じがする。

殺人ゲームで生徒同士で殺し合いをすることになった瞬間、私は察した。


あぁ。皐と私はどちらかが死ぬ運命にあるのか、と。


どっちも死ぬという手もある。

けど、それは私が思うに

『最悪のパターン』だ。

死ぬのだったら、私か、あまり言いたくないけど……皐か。


どちらかが死ぬほうがまだいい気がする。

一生『親友を殺した』ということは頭から離れないだろうが、それが一番最善。そして、それはまた、先生が一番望んでいた終わり方。


「どうする……? 残りは6時間だけど」

そう。残りは6時間もあるのだ。

この時間を、

6時間“しか”ととらえるか、

6時間“も”と捉えるかは、人それぞれだろう。

私は6時間“も”と捉える。


「どうしようか。

……。

紫織もなんとなく想像してたよね、この展開を」

皐はそんなことを言った。

勿論。


きっと残るのは、天才2人なんだってことは、私達も、先生も、6年1組生徒も、この話を聞いたあなたも、

初めから分かってたはず。


これはどうするべきだろうか。

殺すべき? 殺されるのを待つべき?

2人で死ぬ……いや、“それ”は選択肢にはない。

どちらかが死なないとダメだ。


「学校を探検しようか」

「うん」


体育館中に散らばる死体を見つめながら、軽く手を合わせる。

そして、私たちは体育館を後にした。


**


食堂。

ここでは、喩菜ちゃんがヤンキー化したり、ゴキが出たり、偽毒キノコをゲットしたり、色々あった思い出の場所。


家庭科調理室。

ここは、喩菜ちゃんと楓がイチャイチャしてたり、ナイフと携帯をとったりした場所だよね。


パソコン室。

ここには何回か来たことがある。

殺人ゲームのことを調べたのと、

人の殺し方を調べたことがあるんだよね。あと、先生がお出まししたこともある。あの時はマジでビビった。


図工室。

このカバンを手に入れたのは、図工室だ。このカバンは結構助かってる。

殺人ゲームが終わったらカバンを元に戻さないとだなぁ。


音楽室。

ここは直接私たちに関係はしてないけど、私は結構好きなんだ。ここは。

私はこの音楽室に飾ってあるベートーベンのしかめっ面(? )がなんか好き。


職員室。

いつもなら、

「聖ハスカに受験したい人」

達からの電話のコールがうるさいけど、今は驚くぐらい静か。

そりゃそうだ。ここは本当の聖ハスカじゃないわけだから。


理科室。

ここで学校の男子が水酸化ナトリウムをこぼした時はマジでビビった。先生もかなり慌ててた。

あの頃の先生は、もう、いない。


放送室。

よくこの放送室から

『超難問クイズ』

を出題している。

私はそのクイズを間違えたことがない。じ、自慢じゃないよ!?



そして、6年1組。

私達のクラス。だった。

もう6年1組には誰もいない。誰もこない。

あの頃のみんなはいない。

先生も、生徒も、喩菜ちゃんも楓も。

悲しいけど涙なんて出ない。

悲しみを超えた時、そこには


『無』


が待っている。

悲しくない。別に嬉しくもない。

ただ、少し辛い。いや、かなり辛い。


じゃあ無じゃないか。


「もう、何もないんだよね」

皐はポツリとそう言う。

私は「そうだね」と言いかけたが、なぜか言えなかった。

「何もない」と認めるのが、怖かった。

皐を殺すか、私が死ぬか、それを決めるのも怖い。

死ぬのは怖くない。けど、殺すのはすごく怖い。


「あと4時間半ぐらいだ」

時計を見てそう言った。

「そうか……」

皐はそう言うと、ナイフを取り出した。

軽く驚く。

けど、私は驚くのもやめた。

そうだよね。結局は生き残りたいよね。いいよ、私を殺して。


皐はゆっくりとナイフを振り上げる。

多分私は、今、皐に殺される。

でももう悔いはない。

私は皐の目を見つめると、

「いいよ」

と言う。


その瞬間、目の前に血が飛び散った。


あぁ。死んだんだ。私。

親友に、殺されたのか。


不思議と痛みは感じなかった。

苦しみもない。ただ、なにか悲しい。

あぁ。思い切り切られると、痛みなんてものはないんだ。






いや、違う!


私は目の前の光景が信じられなかった。

皐が涙目になりながら、

私を見つめる。

皐の手元を見る。


皐の手にあるナイフは、皐自身の腹部に刺さっていた。


私が切られたのではない。

皐が自分で自分を切ったのだ。ナイフで。驚いた。怖かった。


その瞬間、頬に何かがつたる。


これは涙。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!

いやだ、待ってよ、おかしいよ!

そんなの酷いよ! なんで? なんで? なんでぇ!? なんで自殺をしちゃうの? まだいいでしょ!

もう少しぐらい、一緒に、いてよ!

うわぁぁぁぁぁぁぁ! 」


涙が止まらなかった。皐はにっこり軽く微笑むと、

「紫織は死んじゃダメなんだよ。

もし私のお兄ちゃんが生きてて、私のお兄ちゃん……一誠に会ったら、

宜しく伝えてよ……」


「さ、皐ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! 」

そんな私の声も無視して、皐は目を閉じた。

皐は、目覚めなかった。


皐は私のためを思って、死んだ。


今まで私は何にも失敗してこなかった。受験だって、クイズだって、運動会の大事なバトンのパスの瞬間だって、なににも。


けど、今私は気づいた。


違う、私は生まれた瞬間から、失敗してたんだって。


カチッ!


と言う音が鳴った。

意識が朦朧もうろうとしていく。


**


私は目を覚ました。


なにやら外が騒がしい。

なに?


「すいませーん!

結崎紫織さん、聖ハスカについてお聞きしたいことがあるので出てきてもらってもいいですか? 」


聖……ハスカ?



「は、はい? 」

私が家の扉を開けた瞬間に、思わず目を見張った。

家の門の前に大量にマスコミ関係の人がいるのだ。

軽く引き気味になる。


「あの! 聖ハスカについてなんですが、聖ハスカの6年1組の突然大量死事件のことについてなんですが、

大人数が死んだのにも関わらず

聖ハスカ1の天才、結崎紫織さんが生きているという情報を聞きつけたので、こうして来させてもらいました!

いったい、聖ハスカの6年1組で何があったのですか!? 」


私はそれを聞いてマスコミに問いかける。

「聖ハスカ? なんです? それ。

そんな学校、知りませんけど……」


マスコミは何やら慌て出す。

はぁ? なに? なになに?

私はなにやら言ってくるマスコミを無視して、静かに扉を閉める。


なにさ、聖ハスカって。



あ……れ?


私って昨日、なにしてたっけ。

聖ハスカ? なんだ? なにか、嫌なことが……。


!?


思い出した。

殺人ゲーム。先生。楓。喩菜ちゃん。


皐。


「キャ、キャァァァァァァァ! 」

突然の私の叫び声に驚いたお母さんが、急いで私の元へ駆けつけてくる。


「どうしたの? というか、体大丈夫? あなた、聖ハスカの6年1組で意識不明で倒れてたらしいわよ。

もう! 怖かったわぁ。あの時は」


やだ、思い出した。

どうやらショックで忘れてたらしい。

聖ハスカ。ダメだ。ヤバい。


「さ、皐は!? 」

私はお母さんに大きな声で怒鳴り気味で聞く。

お母さんは、かなり悲しそうな顔をした。そして、

「興奮しないでよ。

皐ちゃんはね。


6年1組突然大量死事件で死んだわよ」


違う。そんなことは聞いてない。

違う、違う、違う!


「もうやだ……」

「ちょ、紫織!? 大丈夫!?

ちょっと、しお……しっかり……して……」


**


私はあの後何度かぶっ倒れた。

私にはショックが大きすぎた。


そこから私は、当たり前ながら聖ハスカから転校した。


そして中学から通おうと思っている学校。

それは『藤咲ふじさき中学校』。


偏差値78。

日本の公立共学学校の中で一番頭がいい。なぜ今まで私は私立だったのに急に公立になったかというと、

一言で言うと、私立の設備がちょっと疲れたからだ。


それに、なかなか親友の死で立ち直れなくて、いつの間にか公立の受験日、

2月3日の前日になってたんだよね。


聖ハスカ中には行く気ないし、

大体の私立中学校の受験は終わったし。だから、じゃあ合格できる範囲で、馬鹿ではない学校の

藤咲に行こうって思ったの。


多分藤咲レベルだったら、勉強しなくても受かると思うし。


それに調べてみたら、藤咲の制服が超可愛かったの!


胸に藤の花のマークがついてて、

スカートは膝上ぐらいで、

白のハイソックス。

羽織りものもこれまたオシャレ!


意外に悪くない。


**


私は地元の小学校に行くことにした。

私の天才ぶりに、他の子たちはすごい驚いてた。


そして気づけば3月25日。

春休みに入った。

桜の吹雪。ほんのり甘い匂い。


後少しで新しい学校生活が始まる。

緊張はないけど、楽しみさはある。


あぁ。今年度はいろんなことがあったなぁ。よし。親友の死をバネに、

新しい中学校生活を楽しまないと!


そう。この時の私は、まだこの先で死ぬほど最悪なことが起こるのを知らない。



完。

どうでしたでしょうか。

最終回らしい終わり方になったでしょうか……。びみょー……。


まぁこれからは、“俺キミ”の連載を復活させたり、新しい小説投稿するかもだし、

楽しみにしててね!

クレイジー・スクールを

みてくれてありがとう!!

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