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-運-
菖蒲は、星とお雪にアルバムに載っている思い出を懐かしむように語っていた。
「な、面白かろ?」
「……うん」
「あははは♪」
すると、居間の床掃除をしている菖蒲のお気に入りルンバことルンちゃんが、掃除中に菖蒲の背中にコツンと当たった。
「む? おぉ! 健気に掃除を頑張っておるか、よしよし」
まるで、ペットを愛でているかのように、ルンバの頭(表面)を撫でる。
すると、お雪が、ふと星に質問をした。
「ねぇーねぇー。そういえば、ルンちゃんはどうやって貰ったのー?」
「………良いことすると……貰った」
「良いことー?」
「ほぉ、良い行いか」
「……ん。でも……少し……大変だった」
星はゆっくりと口を開くと、その時の出来事を菖蒲とお雪に語り始めた――