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あかしや橋のあやかし商店街① 【続編連載中】  作者: 癒月
第四幕~恋と甘味と勝負事~
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恋と甘味と勝負事-伍-

「へぇ~、色々なお茶があるんですねぇ。すごいなぁ」

「ふぉふぉふぉっ。東洋から西洋まで、幅広い茶を揃えておるからの~。ブレンドも可能じゃぞ」

「あのね、あのね! 私は、このお茶が好きー♪」


 そう言って、お雪が指したアクリルケースには"きゃらめる"と書かれた和紙のシールが貼られていた。


「きゃらめる? あ、キャラメルか。え? これ、本物のキャラメルが入ってる?」

「面白いじゃろ?」

「牛乳を入れるとねー、もっと美味しいんだよ♪」

「僕は……これ」


 星が指した物には"みんとてぃー"と書かれていた。


「みんとてぃーって、ミントティーだよね? キャラメルもそうだけど、これも飲んだことがないなぁ~」

「それなら、今度でも飲んでみれ。どれも美味しぞ。ほい、お待たせ。お題は五百円だよ」

「え、安くないですか?!」


 袋は中ぐらいのサイズで中身も袋いっぱいに入っているので、その値段の安さに真司は思わず驚いた。

 これぐらいの量が入っていれば、人間の世界では1500円ぐらいはしそうだと思ったからだ。


「わしら妖怪は、これといって金を求めて働いているわけではないからのぉ。勿論、金に(うるさ)い者もいるがな。ほとんどの妖怪は、皆、笑顔を求めて店を開いとるんだよ。後は、趣味じゃな」


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」と、また笑う狸のおばぁさん。


「じゃ、じゃぁ……」


 真司は、事前に菖蒲から千円を貰っていたので、それをおばぁさんに手渡した。


(どおりで、貰ったお金が少ないはずだよ)


「ん。確かに受け取った。ほれ、お釣りとおまけじゃ」


 真司の手に、お釣りと桜の形をしたクッキーを乗せるおばぁさん。星とお雪の手にもクッキーを乗せると、真司は首を傾げた。


「これは?」

「ブレンドの茶の葉を混ぜた、わし特製クッキーじゃ」

「わーい♪」

「……ありがとう」


 お雪と星は嬉しそうな顔をして、おばぁさんにお礼を言うと、真司もハニカミながらもお礼を言った。


「その、ありがとうございます」

「うむうむ。また、きんしゃい」

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