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三人 Two days before

あ、そうそう、最近、上昇気流に乗っておっぱいが空を浮遊してるのをよく見ます。



「おっぱいだろ」

「いやいやいや、何を言う、どう考えてもうなじでしょうが」

「どっちでも良いんじゃないのかな…?」


「「良くない!」」


「はあ、そうですか」


兄二人の「女性のどの部位に一番魅力を感じるか」という無駄な議論を止めようとしたのだけれど、多分自分には無理なのだろう。

この二人を止められるような言葉は自分には思いつかないと思う。だから一言二言で諦めてしまう。


「なあ、お前はどの部位だと思う?」

「……答えなきゃダメ?」

「ダメ」


二人で議論してれば良いものを、自分の所にも議論を広げようとしてきたみたいだ。答えなきゃ答えるまで頭を掻き回されそうなので、仕方無く答える事にする。


「……ふともも…?」


「あー、お前はふともも派かー、スケベだな」


「スケベって……話を始めた張本人には言われたくないね。大体ね、うなじとかマニアック過ぎなんだよ、おっぱいとかストレート過ぎだと思う。やっぱりここは中間のふとももでしょう」

「いや、ふとももは、うなじよりもおっぱいよりも下の方にあるぞ。中間っていったらおっぱいじゃないか?」

「何中間に拘ってるんだよ、一番上が一番良いに決まってる。だからうなじが至高だよ」

「兄さん、遠回しに一番下が一番悪いって言ってるよね、それ」


自分等三人兄弟は毎日のように何かテーマを決めて、討論を始める。

主催者は主に上の兄二人だ。その二人が設定したテーマが好まなければ毎回止めに入るのだけれど、一言や二言で諦めてしまう。その内、自分もその議論に混じり、意見を述べ始めてしまう。


そう、それが田中三兄弟の日常である。


一番上の兄、田中直人なおと19歳大学生、多分言いたい事は何でもはっきり直接言ってしまう様な人なんだろう。


真ん中の兄、田中接人つぐと17歳高校生、たくさんの事を遠回しに言う。間接的に言ってしまう様な人なんでしょう。


一番下の自分、自分は14歳中学生、周りからは喋り方が抽象的だとよく言われているみたい。多分実際にそうなのかもしれない。


二人の兄さんの呼び方には区別がない、どちらも「兄さん」と呼ぶ

上の兄は自分の事を「お前」と呼び、真ん中の兄は自分の事を「君」と呼ぶ。

上の兄と真ん中の兄は互いに名前で呼び合う。

二人とも多分すごい人である、上の方は、趣味が絵を描く事で、何回も絵画コンクールで賞を取っている。

真ん中の方は、歌うのが好きで、何回ものど自慢大会やら何やら、歌のコンテスト等で賞を取っている。


一番下の自分は……自分の事は秘密で。


とにかく、田中三兄弟は毎日をダラダラと過ごしています。

これまでもこれからも、ダラダラ過ごします。


しかし、この女性の部位についての議論をした二日後からの一週間。その一週間はダラダラする間も無い、慌ただしい、緊張感溢れる一週間になり、自分達三兄弟の人生を大きく変える事になるかもしれないということは、この時点では誰も知らないのかもしれない。




Two days before


そう、僕等はまだ知らなかった。

おっぱいが・・・・こんなに大きくなるなんて。知らなかった。おっぱいがこんなに柔らかいなんて・・・・知らなかった。おっぱいの無限性を。


僕等はまだ・・・・・知らない。

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