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真実


あの意味を知りたい____。


和泉の言っていた慶一の状況。今まであたしは散々慶一に助けてもらってきた。

だから、慶一が困っていたら今度はあたしが慶一を助けてあげたいの。最近慶一はいつも意識もうろうとしている。話しかけてもまともな返事がかえってこない。だからあたしは決意した。よし、慶一がどうして急にあんなふうになってしまったのか、和泉に教えてもらおう。学校のお昼休み__。あたしはそう心に誓った、。授業が一通りおわり、あたしは放課後、部活に行く前の和泉を捕まえた。

「あ・・あの!慶一のこと・・な・・な・・なんだけど・・ねっ!!いろ・・色々教え・・ってほし・・い事が・・あった、て!!」

(すごい。今まで女子にも話しかけられなかったのに!)心の中で妙な感動を抱いていると和泉が顔をしかめた。

「俺、これから部活あんだけど。」

「そ・・っその前・・にっ時間くだ・・くれません!!・・いや、くれません・・か?!」

和泉はあまりに必死なあたしの姿をみて目を見開き、

「これなら話は早そうだ。」

と呟くと、

「いいよ。」

とすんなり受け入れてくれた。

「や・・やった!!!」





あたしたちは図書室にきていた。和泉が適当に座ったテーブルの席の向かいに、あたしもおそるおそる座る。スクールバッグを丁寧に隣の椅子に置き、和泉の顔を見ると、和泉が口を開いた。

「好きなんでしょ、お前が」

・・・・・ん?何、いきなり。

「あの・・だ、誰が、誰のこ・・っこ事を、いつ、どの、ように・・」

いきなりそんな意味が分からない事をいわれても・・ちょっと意味が分からないわ。それよりわたしは慶一の事を聞いているのに。

「鈍いな、おまえ。そんなんだからな、塩崎があんなんなっちまったんだよ。お前のせいだからな。」

え・・・?

「いいか、塩崎はなお前の事を、”異性”として好きなんだよ。勇気をだして今まで秘めてきた想いを言ったのに、お前が全くもって気づかないからあいつ、あんな気の毒な状態になってんだろ?・・・あ、でもお前もあいつの事好きなんだったら良かったじゃん。」

・・・・・?慶一・・好き・・異性・・・あたし・・を?

「う・・うそ」

だって・・慶一はずっとそばであたしを支えてくれていた。困った事があったら真っ先にあたしを助けてくれていた・・。じゃあそれは・・それは慶一があたしの事を好きだから・・好きだったから・・   助けてくれた・・・・・    の?

ポロリ

涙がこぼれ落ちてあたしのダサい制服のスカートを濡らしていく。青色の制服の色が、紺色に染まっていく。な・・なんであたし、和泉の前で泣いてるの!?涙よ!引っ込め!!!って必死になって語りかけるけど、塩分を含んだ水滴はあまのじゃく。そう願うあたしの事なんてほっちのけで次から次へとあたしのスカートを濡らしていった

「なんだよ、うれし泣きかよ」

和泉はうんざりしてそういってそういった。

「ち・・違うの、ち・・違う。今まで慶一があたしにしてきた事は・・こ・・好意・・持ってた・・から、そう分かったから・・。慶一は、あたし・・のこ・・事、そういう風に見て、・・だから・・うっ」



なんであたし、和泉にこんな事をいってるの?


だって、仕方ない。慶一がいままであたしを助けてくれていた理由は、あたしの事が好きだったからって、分かったから


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