表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

ただの幼馴染

翌朝ー。


小鳥のさえずりで目を覚ます。

チ…チチチチュン チュン

「お元気そうで。」

あたしは目の下にクマを抱いた顔をつまみ、幸せそうな小鳥に声をかけた。

嫌味だな、と思いながらもこればっかりはどうすることもできない。だってこれから1ヶ月間、和泉の隣なんてあたしはどうすればいいの。慶一が同じクラスなのは天のお恵みだけど…

和泉に例え話かけられたとしても、あたしは絶対に緊張して緊張してうまく話せないと思う。そうしたらまた《あいつ、なんかどもってねえ?》って言われて笑われるハメになるんだ…。どうしよう、エンドレスだ。

仮病…使おうかな…。

そう思った時、リリリリリ

携帯電話のベルがなった。 慶一からだ。どうしたんだろう

ピッ

『慶一?どうしたの?』

『仮病を使うのは禁止ですよ、沙耶ちゃん。』

『!!?……なんでばれ!?』

『大体わかんだよ。大丈夫だって!!!いざとなったら俺がガツンといってやるよ』

『でも…恐いんだよ。もし…』

『信じとけ、あと5分したら迎えにいくから』

ガチャ

そう言って彼の電話は途切れた。…どこにあるんだ。そんな根拠。でも慶一、慶一は慶一なりに励ましてくれたつもり…なんだよね。…学校、行こうかな。そうしてあたしは慶一と一緒に学校へ登校したのだった。


1時間目が終わって10分休みになった時、あたしは綺麗で背の高い一人の女の子とショートカットの女の子に声を掛けられた。

「井之原さんだよね。チョット話あんだけど。」

………………え。何?この人たちあたしに何か用があるの?こんな綺麗で恐そうな人とまともに話せる気がしない。

でもちゃんと喋らなきゃ。そうしないとまた変に思われる。あたしはガクガク震える膝を抱えて1階の倉庫前に連れていかれた。

「………あんたさぁ、うちのクラスの塩崎慶一の何なわけ!?去年からずっと思ってんだけど。」

綺麗な女の子に言われてあたしはキョトンとしてしまった。け…慶一の何か!?!?なんでそんな事…

「け…けっ慶一…と…はっ!!!おおお幼馴染…です!!!」

い…言い切った!!!

「じゃあなんで今日一緒に登校してたの?幼馴染ってここまですんの?普通おかしーだろぅよ。」

なんで?一緒に登校しちゃだめなの?言いたいけど喉に突っかかって言葉がでない。

「友美が塩崎の事気になってんだって。だからなるべくこーいうのやめてくんない?友美カワイソーじゃん?あんたも人間だからそんくらいわかるよね?」

ど…どうしよう。どうすれば……。

“信じとけ”

朝の慶一の言葉が頭の中で再生される。でもね慶一、あたしが慶一の事信じちゃったら、あたしこの人たちにひどいことされると思う。慶一の事信じたいけど、ムリだよ。でもあたし慶一しか頼れる人がいないの…。お願い!!だからあたしから慶一を…慶一を。

「何とか言えよ。口あんだろ?!」

「ねえ…あたしのために何かしてくれるよね。」

ショートカットの子にせばまれる。


慶一っ!!!!!


目をつむった瞬間だった。

「修羅場か?」

声の持ち主の方をみると・・・・和泉だった。ああ…もうダメ…。なんでこいつがこんなとこに…

でも和泉は

「あと3分で授業始まんよ。それくらいにしとけな」

といって消えて行った。何?もしかして…今の助けてくれたの?予想外の展開・・

と、その時、

「沙耶ーーーーーーー!」

慶一が息をきらして走ってきた。ああもうこんなとこでなんでくんのよ!!慶一は!!タイミング悪いんだから。

「大丈夫か?おい!おめーら沙耶になんかしてないよな!」

…あんたはあたしの保護者かっての。おもわず笑ってしまう。でも、どんなときでもいっつも助けにきてくれるよね、慶一は。

“大体わかんだよ”

うん、うん。

「塩崎くんっ!なんでこんな地味な女!!!いっつも構って助けてあげて!こいつはただ弱ぶってるだけじゃん!」

「沙耶は俺の……俺」

幼馴染…でしょ?慶一。

「赤い実はじけたはじめての娘なんだよっ!!!!!」





は。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ