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不可死の魔王  作者: ネコノ
2部「血塗られた騎士」
22/30

序章「prologue」



「では緊急会議を行う」

 長いテーブルを中心に騎士たちは椅子に座り、緊急会議の号令を聞いた。椅子は両サイドに5席。そして、号令をかけた男が中心部に座り、とり仕切る。その席数は有に11席。

そレに対して、その会議に出席していた騎士の数はわずか6人だった。


「集まったのは半分か……、それでもよく集まったほうだな」

 中心部に座る男は言った。その体付きは華奢でその辺りに居る村人と変わらない。しかし、面構えは良く、その格好がシルクであれば美系の王族と間違えてしまうほどであった。


「はやくしてくれ、俺はたまたま近くに来てたところを捕まっただけなんだ。俺も忙しいんだからよ?」


「忙しいってあんた、どうせまた強そうな奴かたっぱしから見つけて勝負挑んでたんでしょ?」


「おうよ。悪いか?」


「悪いわよ。指名手配犯ならともかく、あんたは村人だろうが片っ端から挑むんだから」


「しかたねぇだろ? つぇえやつがいねぇんだからよ」

「はぁ、これだから単細胞の戦闘狂は……」


「んだと!? なんならてめぇとやりあってもいいんだぜ?」

「私に勝てるならね?」

 両サイドに座る二人の騎士の男女が立ちあがり口論。そして一色即発な事態に陥りそうになっていた。


 他の騎士たちは止める様子もなくただ傍観。しかし、一人の騎士が立ちあがり

「やめないか! 私達がわざわざ来たのは戦うためか?」

 もう一人の女騎士はテーブルを叩き二人を睨みつけた。


「いけすかねぇなルナ。そういうところは姉妹そっくりだ」

「貴様……、何が言いたい?」

「お前も所詮は妹と同じってことだ。なんならお前も追放――」


 ほんの一瞬の出来事だった――

 ルナと名乗る女性は剣を抜き、挑発する男に剣を向けていた。男はそれをあっさりと剣で受け止める。一瞬の攻防。

 その場のムードが険悪なものと鳴った。


「やめないか! わざわざ貴様らを呼び戻したのは戦わせるためじゃない。なんなら私とやりあうか?」

 それを静止したのは金髪の男。そして、華奢な男からは考えられないほどの威圧感。


「ちっ……」「ふん」

 二人はしぶしぶ剣を退き、席に座る。


「さて、落ち着いたところで本題だ」

 男は落ち着いた表情で淡々と会議を続行。

「実は先日、フミルゲルミルの街が崩壊した」


「なっ――!!」「マジかよ……」

 その場に居る全員の騎士から驚愕の反応。


「その原因と思われるのが魔王ツヴァイの存在だ。崩壊以前に近くで魔王ツヴァイが目撃されたとの情報もある」

「魔王か。おもしれぇ」


「我が国アヴァロンもフミルゲルミルから決して遠くない場所にある。そのため君達十字騎士団聖騎士は魔王討伐を検討してもらいたい。それと国内の警備の強化だ」

「「「「「はっ!!」」」」」


 その日の緊急招集わずか6人だが、その1人1人が一個軍隊にあたるほどの戦力である最高位の騎士達。

 その十字騎士団6人が魔王討伐に乗り出すこととなった。


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