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疫病について

幻想疫病災禍・記録保管庫より抜粋

以下は 大陸規模での文明停滞または種族淘汰危機レベル と分類された感染災害のうち、特に深刻な三件についての資料である。

記録は断片的であり、起源・宿主・終息形態には未確定要素が多い。


一.《黒眠疫〈コクミンエキ〉》 — Shadowed Sleep Plague

感染対象:主に人型種族と精霊寄生宿主

感染経路:呼気による魔素伝播、暗所滞在で増幅

潜伏期間:三夜〜十三夜

初期症状:過度の眠気、夢への没入、現実感の喪失


病理特徴:

眠りについた者の「魂は夢界へと沈下し、肉体へ戻る道を見失う」。

視覚器に煤状の魔痕が浮かび、最終段階では体温低下と同時に微量の黒霧を排出。

この霧は新たな媒介となり、夜の集落に連鎖的発生を引き起こす。


終末症状:

肉体は生存しているが、魂が帰還できず半永久昏睡状態へ移行。

治療には夢界渡航士と“魂召喚式ソウル・リコール”が必要と言われる。


二.《紅腐咳〈コウフザイ〉》 — Crimson Rot Cough

感染対象:全陸の哺乳系・魔兽系

感染経路:血液・体液・牙傷・呪腐胞子

潜伏期間:短期(半日〜二日)

致死率:極めて高い


主症候:

・咳と共に赤色の血泡が口角から滲む

・血液が体外に触れると“腐食胞子”へ変質

・草木・金属・骨格・魔道具すら汚染


恐るべき二次災害:

腐食胞子は 空気中で微結晶状魔菌 へ変化し、都市単位の崩落を引き起こした。

大陸南部では、この病の流行後に 鉄製文化が木と革文化へ逆戻りした記録 が残る。


唯一の救済的記述:

龍鱗の灰を媒介に施された炎浄化術により、小規模の鎮圧が成功した例がある。


六.《星脈瘴熱〈セイミャクショウネツ〉》 — Aether Star Vein Fever

分類:魔素過剰誘発型・世界律干渉型病

感染対象:魔力保持者、長寿種、星光適応種族

媒介要因:高濃度エーテル地帯の自然変質

※一般種族は発症しないため初期発見が遅れた


発症経過:


血管に沿って星光紋様が浮かぶ


魔力行使時に脈拍が世界脈動と同期


身体温度が徐々に恒常高熱化し、やがて魔力暴走

最終的には 個体が“星霧化”し消滅、魔素濃度をさらに上昇させ感染誘因となる悪循環が観測された。


禁書級注釈:

発症者は「苦しむ表情を見せない」

むしろ 幸福・覚醒・使命感 を感じていると証言される例が多い。

このため、一部宗教国家では「選ばれし転化儀式」として受容が行われ、流行を助長した。


■ 総括評価

疫病名世界影響治療有無終息理由

黒眠疫文明停止不確定夢界介入説

紅腐咳物質破壊部分成功焼却隔離

星脈瘴熱魔素汚染不確定発症者自滅性




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