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交易ルートと地形および天候循環に関する統合報告書

提出先 中央大陸圏共同記録監査府

作成部門 地理観測第七課

分類 内部参照限定


第一章 概要

本報告書はエーテル世界に存在したと推測される主要文明圏の交易路、地形的特徴、気象循環の三項目について、複数時代の資料を抽出し再構成したものである。

本世界は時系列が固定されていないため、以下の記述はすべて複数時代の観測内容が重なり合ったものとして扱われたい。


第二章 大陸構造

エーテル世界は大きく三つの文明圏に分割される。

中央大陸圏は高原、連峰、河川盆地が広がる温帯から乾燥気候の地域であり、街道と河川航路による物流に依存する。

西方山脈圏は山岳と火山帯が複雑に入り組み、影素濃度が高い。天候は極めて不安定で、陸路は常に崩落の危険を抱える。地下洞窟網が発達しており、ここが独自の交易路として使われることがある。

東方海洋圏は沿岸部と多島海から成り、海流と風向の変化が激しい。航路は季節ごとに大きく変動し、海魔力が天候に直接干渉するため予測には特殊技能が必要となる。


第三章 主要交易ルート

中央街道は中央大陸圏最大の交易路である。帝国商隊、傭兵団、地方都市圏の隊商が通行し、穀物、鉄器、ローレル貨、魔元素タイタニウムなどを運搬する。街道は魔導灯によって区画整理され、夜間も通行が可能であるが、別時代の記録では破壊と再建が繰り返されている。

ナマサ南砂漠ルートは淡金石などの貴重資源を運ぶために開かれた。砂丘と乾燥盆地が続き、昼夜の温度差が極端である。砂嵐や熱魔流の発生により旅程は常に危険を伴う。

影界潜行路はアイアンピーク山脈直下の洞窟網の中に存在する。影素関連の密貿易に利用されることが多く、光が届かないため天候の影響を受けない。ただし影素の満ち欠けによって道そのものが変形するという報告もある。

東方多島海航路は海流と季節風に支えられた海上交易路である。潮魔力の発生により霧帯が形成され、視界が著しく悪化する。航行の安全は潮紋を読める海鳥系種族が担っている。

ドラゴン圏高空ルートは高価値物資の緊急輸送に使われる。高空では風帯が荒れ、通常の飛行種族には耐えられない。ドラゴンの飛行と擬態能力が航路を支えるが、魔素濃度の変動が激しく難路である。


第四章 地形と天候の関係

大陸上空には魔素循環帯と呼ばれる層が存在し、世界の風向と海流に大きな影響を与えている。魔素濃度の高い地域ほど天候の変化が早く、逆に低い地域では乾燥した安定気候となる。

アイアンピーク山脈では火山性の熱流が周期的に発生し、風向を乱す。影素の干渉により暗雲が地形と関係なく停滞することすらある。同じ山が別時代の資料では燃える山として描かれたり、凍る山として描かれたりする理由の一端はここにある。

東海では潮魔力が海中で移動するため、霧帯、暴風、静穏海域が周期性を持たず変動する。海洋種族は歌紋と呼ばれる方法で潮魔力の動きを読み取ることができ、この技能が航路の維持に直結している。

ナマサ砂漠では地表に蓄積された熱魔が風に乗って運ばれ、砂嵐を強化する。夜間には熱魔が逆流し急速冷却が発生するため、隊商は火魔石などの装備を常に必要とする。


第五章 交易安定度の概評

中央街道は比較的安定しているが、山賊や局地豪雨のリスクが存在する。

ナマサ砂漠ルートは砂嵐と熱魔乱流により不安定である。

影界潜行路は道の変形と影素暴走の危険が大きく、最も不安定な地域である。

東方多島海航路は季節風と海魔族の活動により安定度が大きく変動する。

ドラゴン圏高空ルートは風圧と魔素濃度変動に左右されやすい。


第六章 結語

本報告書に記された内容は、同時代に存在した可能性があるものを重ね合わせたものであり、確定的な年代を示すものではない。

エーテル世界における交易とは、文明間の関係をつなぐ流動的な網であり、読者は散在する資料の読解を通じて、どの文明がどの時代に接触し得たのかを自ら組み立てる立場に置かれている。

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