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英雄列伝4

蒼耀潜影ラヴィエル・アストレア


一、概説

蒼光のごとく華やかにして、影のごとく忍ぶ。

ラヴィエル・アストレアは、エーテル世界の宮廷諜報網が誇る“潜影の貴族”と呼ばれた英雄である。

麗しいと噂される貴公子であるが、その美貌ゆえに美女として潜入しても誰も疑わないという特異な才能を持つ。


ただし、潜入任務には一つだけ決定的な欠点がある。

調査対象がラヴィエルの素性を探ろうとした瞬間、

**「あってはならないはずの部位」**に気付いてしまい、

絶叫、卒倒、時に痙攣まで起こすのが常である。

ラヴィエルはその混乱の隙に淡々と撤退し、その場には気絶者と謎の香りだけが残される。

諜報網ではこれを「蒼耀の撤退儀式」と呼ぶ。


二、出自と背景

かつて滅びた小領邦の名家の末裔で、生まれながらに極端な美貌を授かったと言われる。

幼少より礼儀作法、舞踏、化粧術、変装、そして諜報技術を叩き込まれ、

貴族としての華やかさと、情報屋の狡猾さを同時に備えた存在となった。


気質は豪奢を愛し、身のこなしは舞踏家のように華やか。

会話は常に軽妙、しかし観察眼は鋭い。

外見も所作も声色すら自在に操り、

「宮廷の女神が現れた」と言われる日もあれば、

「眉目秀麗な青年将校」と噂される日もある。


三、戦闘様式

本来は潜入工作員だが、戦場では二つ名に違わぬ“蒼耀の破砕者”として恐れられる。


宝飾を模した多機能武具を身に着け、

 腕輪は刃となり、簪は衝撃波を放ち、腰の帯は魔力糸を伸ばす。


舞踏のような回転戦法は華麗で、敵は翻弄されながら斬られる。


本人いわく「美しさは戦力」である。


ただし戦闘より潜入を好むらしく、

「派手すぎる戦場は肌に悪い」と堂々と言い放つこともしばしば。


四、潜入任務と“例の悲鳴”

潜入術は世界屈指。

衣装・化粧・声色・立ち姿まで完全に別人格へ変容し、

どの国の宮廷でも高位の淑女や秘書官、時には歌姫として入り込む。


問題は、潜入がほぼ成功した後に訪れる。


ターゲットが警戒心を解き、

「もっと詰めて話しましょう」と距離を縮めた瞬間――

些細な接触により“決定的事実”が発覚する。


「ひッ……な、なんで……!?」

「落ち着いて。説明は帰ってからするわ」

「ひぎゃああああああああ!!」

――(大体ここで気絶)


そして騒ぎになる前にラヴィエルは霧のように退場。

残された報告書には必ず

「対象者、ショックにより気絶。任務は部分的成功」

と記される。


この現象は諜報網内で「ラヴィエル・ショック」と呼ばれ、

上層部は対策会議を行ったが原因が本人なので諦められた。


五、人物像

華美を愛すが品は失わない。


自信家だが他者を見下さない。


任務に失敗しても笑顔で「今度はもっと完璧に魅せるわ」と言い張る。


美を追求するあまり、化粧品と装飾具に国家予算が泣くほど金を使う。


しかし人格は誠実で、見た目の派手さに反して義に厚く、

仲間のために自分の“芸風”を喜んで犠牲にする。


六、後世への影響

後代の吟遊詩人たちは、

ラヴィエルの潜入中の悲鳴撤退事件を喜劇として語り継いだ。

一方で、華麗な変装術と諜報技術は正式に宮廷学院の教材となり、

本人は「美と諜報の両立」を体系化した功労者として記録された。

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