英雄列伝3
爆樹の弾雨軍曹 ボルテ・ウッドランブ
一、概説
トレントマターの中でも際立って異端とされる存在――それがボルテ・ウッドランブである。
森と調和し静けさを尊ぶ種族の中にあって、彼のみは金属と火薬を偏愛し、自身の身体すら“銃火器の祭壇”として改造し尽くした奇人である。
国家より公認魔道具師、軍曹相当の地位を与えられながらも、軍事や名誉にはまるで興味を示さず、戦場よりもギャンブルと魔道具の商売を優先する破天荒な気質で知られる。
後世には
「森から生まれた銃火器の暴風」
「爆樹の弾雨軍曹」
「赤褌の要塞」
など、実に多彩な異名で語られる。
リーゼント状に樹皮を固め、葉を逆立て、枝蔓でサングラスを固定するという奇抜な姿で、樹木生命とは思えぬ陽気さと豪胆な笑い声を響かせる。
二、外見と性質
外見は樹皮をリーゼント状に固め、樹脂で光沢を持たせ、枝葉を丁寧に逆立てた“樹木の伊達男”そのもの。
性質は陽気・楽天的にして義理堅く、勝負や商売では粋な気風を見せる。仲間思いで面倒見も良い。
ただし名誉には無頓着で、国家公認魔道具師としての誇りこそ持つものの、軍務への熱意は限りなくゼロに近い。
特筆されるのが 赤褌ギャンブル伝説 である。
彼は勝ち負けを度外視して賭場に入り、負け続け、最終的に赤褌一丁になるのが常。
ところが翌日にはその赤褌の中から新しい魔道具や軍服を取り出し、飄々と商売をして負け分を帳消しにしてしまう。
この豪快な生き様こそ、軍とは別の「職人」としての才覚を象徴している。
三、武器と能力:銃火器を抱く樹木要塞
ボルテの主力武器はガトリングガン。しかし通常の造兵ではなく、金属を自身の体内に“同化”させる独自の樹鋼機構によって生成される。
国家公認魔道具師として火器や戦術魔道具の設計・製造能力を持つが、戦闘はあくまで趣味の範囲である。
主な武装
・根系ガトリング《ロータルート・ファング》
・樹幹砲
・芽吹き散弾器
・枝葉自動銃
・背部固定砲
これらの武器はすべて体内に格納され、開花のような動作で展開される。
特殊能力
・高い再生能力:金属と樹木の混合素材として復元可能
・火薬の振動を愛し、銃撃中は常にご機嫌
・即席で戦術魔道具を製造可能
・軍事的名誉に興味がなく、戦果よりも楽しさと工夫を優先
四、英雄としての記録
各地の小規模戦に姿を見せているが、最大の武勇は「ドラン峡谷防衛戦」である。
敵軍の鉄獣部隊が押し寄せた際、ボルテは峡谷の中央で仁王立ちし、
“樹鋼解放フルバースト”
と宣言。
一樹とは思えぬ弾幕を展開し、峡谷を突破しようとする部隊を丸ごと押し留めた。
同時代の記録によれば、峡谷の岩壁には無数の弾痕が花のように刻まれ、それは「爆樹の花畑」と呼ばれるようになったという。
なお、彼自身は軍の命令に従ったわけではなく、単に
「面白そうだから来た」
と語ったとされる。
五、余生
余生のボルテは赤褌のまま街を闊歩し、勝負で負けるとそのまま赤褌一丁になって賭場に居座る。
しかし翌日には赤褌の中から新兵器や魔道具を取り出して売りさばき、負けた金額をあっさり補填するという、破天荒ながら粋な生き様を続けた。
国家公認魔道具師・軍曹相当の地位を持ちながら軍事的名誉には無関心。
ただひたすら“楽しさ”と“工夫”を追求し、義理と気風を忘れない彼は、街の人々にとって笑いと驚きの象徴である。
以上が、爆樹の弾雨軍曹ボルテ・ウッドランブの記録である。




