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マプクブルーム連邦における農耕と排泄物再利用の文化

マプクブルーム連邦における農耕と排泄物再利用の文化は、「大地と風の循環」を中心理念として発展してきた。農業は地上のケンタウロス族と空を行き交うバーディアン族が協力し、それぞれの特性を最大限に活かしながら営まれている。


第一に、ケンタウロス族は地上での農耕を担う。彼らは牧畜と輪作を組み合わせた放牧農法を採用し、群れが移動することで自然に土へ養分が還元される仕組みを作っている。耐風性に優れた穀物アースグレインの栽培が盛んで、地熱や風石を利用した温度管理型の農地も存在する。また、彼らには蹄で土をほぐしながら地霊へ祈りを捧げる「踏耕」という独自の農法があり、農作業と信仰が密接に結びついている。


一方、バーディアン族は天空の農耕を担う。山腹や湿地の上空に築かれた浮遊棚田スカイプランターでは香草や水藻、果実が栽培される。飛行時に舞う羽粉は肥料として回収され、風媒受粉を促進する役割も果たす。湿地帯では、水棲のアクアバーディアンによる魚と植物を組み合わせたアクアポニクス農法が高度に発達している。


第二に、この連邦では排泄物や廃棄物を循環資源化する制度が徹底されている。環境法典である「風と大地の掟」により、すべての排泄物は再生の儀式を伴って再利用される。ケンタウロス族の排泄物は「大地の息」と呼ばれ、乾燥と発酵を経て栄養土ホーフマターへと加工される。この土は農地再生だけでなく、風石を育てる鉱床改良にも使われる。


アクアバーディアンが管理する湿地循環槽では、糞尿や有機物が藻や菌の力で分解され、自然濾過の工程を経て透明な水となり、最終的には飲料水源として再び地域に戻される。


さらに、年中行事として「返息祭」が各地で行われる。共同肥料庫へ発酵物を納め、風守が再生の祈りを捧げるこの祭りは、「命が風となって戻る」という思想の象徴である。


第三に、こうした農耕と循環再利用の仕組みは、社会や哲学にも大きな影響を与えている。資源再生は経済的利益よりも自然との調和を優先する倫理として根付いており、行政と信仰の双方に支えられている。「風律学院」では発酵や生態循環の学問が聖職者教育と同列に扱われ、高度な知識と技術を備えた人材が育成される。


また、人々は「身体も排泄物も大地へ還り、再び命を育む」という死生観を共有しており、死者の遺灰までが循環の一部とみなされる。


マプクブルームでは、「風が大地を撫でる時、過ぎし命が芽吹く」という言葉が広く語られている。彼らにとって農耕とは単なる食料生産ではなく、風と大地が交わり、命がめぐることを確かめる営みそのものなのである。



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