エルドリア帝国(詳細)
エルドリア帝国は、黒鉄と黒曜石で築かれた巨大な都市国家を中心とする帝国である。首都シェインスは帝国の心臓部に位置し、夜には月光と魔導灯が輝き、常に黒い霧が漂う幻想的な光景を持つ。皇帝が住まう宮殿はノクトル・スパイアと呼ばれ、「黒月皇」の声が夜風に乗って全土へ届くと語られている。
この都市は、移動要塞と固定都市の機能を兼ね備えた独特な構造を持つ。外郭部は戦時にはそのまま軍の出撃拠点となり、平時には再編可能な防衛施設として機能する。人口は約一千二百万人で、帝国内では最大の都市である。民族構成は主にダークエルフが多数を占め、混血と従属民族が続く。
帝国内の主要都市には、北部の鍛冶都市ヴァルドーン、南部の学術都市グリモア、大河沿いの交易都市ステインソ、西部の要塞都市ヴァーレンフォールがある。ヴァルドーンでは武器や鎧の製造が盛んで、帝国軍の装備の多くがここで作られる。グリモアは呪術と禁術の研究の中心であり、ノクトル・アーカイヴという禁術の塔がそびえる。ステインソは交易と奴隷市場で栄え、ヴァーレンフォールは西の国境を防衛する重要拠点である。
帝国全体の人口は約三千八百万人。ダークエルフが六割以上を占め、残りは人間傭兵や従属民族、奴隷階級によって構成される。社会は高度に都市化しており、人口の大部分が都市部に集中している。
産業の中心は軍事関連である。黒鉄鉱や血晶石を主な資源とし、魔導鎧や呪術兵器を生産している。また、戦獣の育成や傭兵団の派遣によって戦争を経済の基盤とする。戦争そのものが国家の産業とされ、他国に戦力を輸出することで富を得ている。さらに、採掘や冶金、闇の錬金術や呪術の研究も盛んで、魔力を帯びた鉱石や魂を封じる宝石などの特殊な品が作られる。
輸出品は主に黒鉄鉱や魔導武器、血晶石、傭兵団、戦獣などであり、輸入品には香料や絹布、穀物などが含まれる。
特産物としては、闇を照らす夜光性鉱石ノクトルの涙、戦士の儀式に使われる血晶酒、耐魔性の高い闇象の革、暗闇で紋様が浮かぶ黒月織、そして死者の記憶を封じる魂刻印石などがある。
帝国の理念は、「奪い、壊し、築く」という力の信条に基づいている。すなわち、力とは奪い取る者の手に宿るという思想である。




