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エルドリア帝国

エルドリア帝国は、かつて大陸の中央に広がる豊かな土地を支配した戦闘国家である。もとは騎馬民族の血を引くダークエルフによって築かれた帝国で、彼らは夜のように黒い肌と銀色に輝く瞳を持ち、月光の加護を受ける種族として知られている。彼らは強靭な肉体と冷徹な戦略眼を兼ね備え、略奪や傭兵活動を通じて勢力を拡大してきた。


その起源は「黒月の一族」と呼ばれる古代のエルフに遡る。もともとは北西の森に住むエルフたちと同じ種族だったが、神々の戦争の時代に闇の精霊ノクトルに仕えたことで堕落し、光の加護を失って森を追放された。彼らは荒野を越え、血と鉄をもって新しい秩序を築くことを誓い、やがて「灰王ヴァル=トゥラン」が諸部族を統一してエルドリア帝国を建国した。帝国は「力こそ真理」を掲げ、征服と傭兵活動によって富と名声を得る国家となった。


文化の中心には「力の証明」という価値観がある。血統よりも戦場での成果が重んじられ、敵を打ち倒して戦利品を持ち帰ることが最大の名誉とされる。また、彼らは「傭兵の誓い」を重視し、契約によって他国の戦争にも参加する。報酬と名誉のために命を賭けることを当然とし、裏切りや策略もまた戦術の一部と考えられている。帝国はまた、移動式の戦営都市を持ち、黒鉄の要塞が平原を渡るその姿は「夜が歩く」と恐れられている。


信仰の対象は闇の精霊ノクトルである。夜は浄化の時間とされ、満月の夜には血の儀式が行われる。死者は闇の霧に包まれて葬られ、魂はノクトルのもとへ還ると信じられている。


北西の森には、光を信仰する「純光のエルフ」たちが住む。彼らはかつての同族でありながら、ダークエルフを堕落者として忌み嫌っている。一方、エルドリアの民は彼らを臆病な存在として軽蔑しており、両者の間には長い確執がある。しかし、時に両者の血を引く混血や密使が現れ、光と闇の均衡を象徴する存在として伝承に語られている。


エルドリア帝国の社会は、生まれではなく力によって地位が定まる流動的な階級制である。最上位には黒月皇が君臨し、ノクトルの声を聞く存在とされる。その下には血の契約を交わした血誓貴族があり、彼らが各地の戦営都市や軍を支配している。さらにその下には、戦場の主力である鋼牙戦団があり、彼らは戦場での武功によって昇格の機会を得る。暗殺や情報を担う影手という階級も存在し、彼らは皇に最も近い存在として恐れられている。最下層には黒鎖民と呼ばれる奴隷階級があり、労働や補給を担うが、戦果を挙げれば上位に昇格できる可能性もある。


この社会の根底にある理念は、「奪い、壊し、築く」というものである。すべての力は奪う者の手にあり、帝国の旗印である黒い月と燃える槍は、「闇から生まれ、戦いによって栄える」という信念を象徴している。


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