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Stage.3 「残念ヒロインたちと未練のヒロイン。」

【登場人物】

猫田翔真   高校1年生。1-C。

       ゲームIDは『にゃすけ』。

       工藤飛鳥に嫌われてる?

       ゲーム研究部所属。


工藤飛鳥   高校1年生。1-C。

       ゲームIDは『あすな』。

       ゲーム研究部所属。

       翔真のことが嫌い(?)


東雲舞    高校1年生。1-A。

       ゲーム研究部所属。

       腐の者。趣味は遥との談義。


千早雪乃   高校1年生。1-A。

       ゲーム研究部所属。

       部内で唯一まともかもしれない人。


柏木遥    高校2年生。ゲーム研究部副部長。

       腐の者。趣味は舞との談義。


永屋郁久美  通称『いくっちゃん』

       ゲーム研究部顧問で1-C担任。

       適当な性格。

ラブコメやギャルゲーの主人公は羨ましい。戸惑いながらもヒロインたちの心と繋がっていく。そんな、力が俺にもあったらなぁ・・・・・・


「翔真はすごいと思う。」


「急にどうした。」


「だから、そのすごさがバレたら友だちが増えると思うの。」


「そうか?」


「だからね、翔真。私と学校に行こうか!」


どうしたらそうなるんだ姉上よ。俺の姉である猫田 霞(ねこた かすみ)は弟ながら恐ろしい女だ。世間的にはブラコンというのだろうか。俺より2歳年上の姉で、高校こそは違うのだが、一緒だった義務教育期間中は最悪だった。毎日、一緒に登校させられていた。姉が卒業してからの2年間が1番平和だったくらいだ。姉は弟の俺目線で見てもすごく美人だから、ブラコンでなければ…と思うくらいに残念な人だ。


「どうして、そうなった!?」


「え?だって、こんなに美人なお姉ちゃんいたら友だちできるでしょ?」


「いや、姉上。それは俺と友だちになりたいんじゃなくて、姉目当ての人たちが寄ってくるだけだから。というか、部屋から出ていってくれ。」


「翔真ちゃんのツンデレー!」


姉は謎の捨て台詞を吐いて、出ていった。

ふぅ、天災は去った。これから、『あすな』とゲームをする約束をしているから、早めにログインしておきたい。


『にゃすけっち遅かったね!』


な!?もうログインしているだと!いつもならば、俺が先にログインしているはずだ。


『今日は早いね。』


『まーね、暇だったし!にゃすけっちはいつもは10分くらい前にはログインしてるのに今日は遅かったね、どうしたの?』


『実は・・・・・・』


俺は先ほどの "天災" の話をする。


『アハハ!すごいブラコンのお姉ちゃんだ!』


『あすな』は大爆笑している。やはり、世間一般的に見ても、ブラコンなのだろう。


『ま、まぁ始めようか。』


『そうだね!』


俺と『あすな』はゲームを開始したのだった。


 すごく眠い。昨日、夜遅くまでゲームをしたからだろうか。あと、背後から姉の気配を感じる。


「なぁ、姉上!そこにいるだろ?」


「……ッ!」


「やはりいたか。」


「だって…翔真、友だちがいなくても生きていけるのは幼稚園児までだよ?」


痛いところを突かれた。


「帰ってください。」


俺は姉を家へと帰らせて、高校に向かった。


ー昼休み


俺は廊下を歩いていた。1-Bの前に千早雪乃がいる。


「千早さん?何してるの?」


「わぁ!びっくりした!猫田くんか…驚かさないでよ…!」


「千早さんのクラスって、A組だよね?ここで何してるの?」


「ここだとあれだから部室でもいい?」


どうしよう、部室で女子と2人きりだ。ゲームやラノベなら、何も起こらないはずもなく……とイベントが始まってもおかしくない。


「えと、千早さんは何してたんだっけ?」


「実はね、B組にいるの!」


「えっと、好きな、人とか?」


俺の質問を遮るように千早は答えた。


「私のカナヘビが!」


「え?」


「急に言ってもあれよね……まずね、私はカナヘビを飼ってるの。でね、実は今日はカナヘビがついてきちゃってて。それでB組の担任は生物の先生でしょ?」


「あぁ、そうだな」


「で、B組の先生にいってみたの。」


「なんて?」


「どこかにカナヘビを入れられるところありませんかーって。そしたら、B組のロッカーの上にたくさんある虫かごに使ってないのがあるからそこに入れといていいって言ってくれたの。」


「つまり?」


「ただ、カナヘビが心配で見に行ってただけ!」


なるほど、だからソワソワしていたのか。


「猫田くんもカナヘビ見る?」


む、それは気になる。


「いいなら見たいかな。」


「全然おーけーだよ!」


ー放課後


「猫田くん来てくれたんだ!」


「トカゲは好きなんだよね」


「ん?トカゲじゃないよ、カナヘビだよ?」


変わらない気がしてやまないが、なんか千早の目から狂気を感じるので言わないでおこう。


「さつきちゃーん!」


「さつき?」


「そう、カナヘビの名前!」


千早は虫かごをもう一つ取り出す。


「ねぇ、千早さん?なんでもう一つ虫かご持ってるの?」


「購買で買ったの」


(「購買にそんなもの売ってるのか。」)


そして、千早はさつきとかいうカナヘビが入った虫かごを開ける。そして、カナヘビをそっと捕まえる。


「よしよし、いい子いい子…」


しかし、手からカナヘビが抜け出した。


「さつきーーーー!!」


千早が今まで聞いたことないような声で叫んだ。耳が壊れそうだ。


「捕まえてー!」


俺はとっさにカナヘビを捕まえる。


「はい、千早さん。捕まえたよ。」


「…ねぇ、猫田くん、なんでうちのさつきちゃんに気安く触れてるの?」


「え?」


あなたに捕まえてと言われたから、とは口が裂けても言えない。これは命の危機だ。


「千早さんのお姫様?を守るため?的な?」


その瞬間、千早の顔が晴れる。今までに見たことないような笑顔だ。


「むふぅ。ま、まぁ仕方ないなぁ、猫田くんがそこまで言ってくれるならぁ、許してあげちゃう!」


「むふぅ」とは聞いたことない音だ。なんだろう、千早も残念な雰囲気が出ている。容姿はすごくいいのに、、、残念な感じがする。


ー部活


「しょーくん!遅い!」


東雲舞は陽キャなようだ。しょーくん呼びなど今までされたことがない。


「遅れてすみません?」


「猫田くん、謝らなくて大丈夫だよ。まだ部活の開始時間じゃないから。」


「ゆきちゃーん!もう少しだけ、からかわせてよー!」


「かわいそうだからやめてあげよ、舞?」


「うん、わかった!ごめんねー、しょーくん!」


しょーくん呼びはどうやらやめないようだ。


「猫田ー、打ち解けてるねー!」


「工藤さん。」


「あ、ひーちゃん!」


「ひーちゃん?」


「え?だって、飛鳥の中に飛行機の飛があるじゃん!だから、ひーちゃん!そんなのもわからないのー、しょーくんは!」


「舞、それは私にも理解できない。だから、猫田くんが理解できないのも無理はないよ。」


「私は好きだけどなぁ、」


「だよね!ひーちゃん!」


こいつらはいつもこんな調子なのだろうか。


「あれ?柏木先輩は?」


「猫田、知らないの?部活のロインに連絡来てたじゃん。」


「え?入ってないんだけど…」


「「「あ…」」」


俺は急いで部活ロインに入れてもらった。

どうやら、柏木先輩は幼馴染である部長のお見舞いで部活は欠席するらしい。


「はる先輩、部長のこと好きだからね…仕方ないよ。」


東雲舞、こいつは部長のこともあだ名で呼んでいるようだ。


「やっぱり?舞も気づいてた?」


「やっぱ、そうだよね!」


「ゆきちゃんとひーちゃんも気づいてたんだ…」


「一応、疎外感があるから知りたいんだけど…。あ、差し支えなければでいいから。部長に何があったのか教えてくれないか?」


東雲は目線を逸らし、工藤は手をこねこねとしている。


「猫田くん、だけ知らないってのもあれだからいいよね、2人とも」


「ゆきちゃんがいいなら。」


「雪乃がいいならいいよ。」


「部長は『須崎 信介(すざき しんすけ)』って言ってね、知ってのとおりだけど柏木先輩の幼馴染なの。そして、人一倍責任感が強い人だった。そして、柏木先輩とも私たちとも仲良くやってたんだけど、今年の5月に倒れちゃったの。」


「持病が悪化して…か?」


「…そう、ただ持病は比較的治り始めてたらしいの。でも突然、持病が悪化してね、部活での活動途中に……」


「はる先輩は、1年生のときは生徒会にいたらしいの。だけど、周りの人たちとうまくいかなくて、やめることになった、そのせいで生徒会とゲーム研究部は仲が良くなかった。そして、はる先輩と生徒会の間に入って仲裁してたのが、須崎先輩だったの。だから、はる先輩は…」


「自分のせいで、須崎先輩が倒れたと思ってるってことか…」


「…うん、そういうこと。自分が何もできなかったことに、未練がまだまだあるみたいで……」


「なんか、ごめん。重い話させちゃって。」


「猫田くんだけ知らないのもあれだしね。」


柏木先輩は強いと思う。自分のせいだと思ってしまうのはわかる。だけど、みんなの前で弱いところを見せない強さを持っている。ただ…弱さを隠せていない。ただの強がりだ。


「俺たちは…祈ることしかできないのかな。」


「うん、それは2人の問題だから…」


と工藤が言う。けど、絶対にそんなことは思っていない。


「はる先輩なら大丈夫だよ。」


東雲、お前もきっとそう思っていない。


「心配だけど、どうすることもできない。」


千早はきっと何かしてあげたいんだろ?


全員、強がっているだけだ。


俺は、俺にできることを探すことにしよう。

【あとがき】

ここからしばらくは須崎部長と柏木副部長を中心に描きます!

少し重い話が入ってくるかもしれませんし、期待されている作品とは違うかもしれませんが、、、少しでもみなさんが楽しめる作品を作る!ということを肝に銘じていきたいと思います!

では、また次回お会いしましょう!


感想等お待ちしています!

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