水の音
とても静かな物語です。
初投稿です、よろしくお願いいたします。
森の中にある、清流が流れて集まった、
透き通る蒼い蒼いとても大きな湖。
そこには、何百年もの間、エルフの女性が
大きな湖の側に憩いに来ていた。
エルフの周りで、小鳥たちは歌い、
リス、シカなども自然と集まり、
動物たちは、リラックスしていた。
エルフが訪れる蒼い湖に、
ある時から、僧侶の男性も訪れるようになった。
僧侶は、ある時は、
目を閉じて風の音に耳を澄ませ、
またある時は、湖の波紋を眺めた。
そして、胸にかけている、
銀のロザリオに優しく触れて、
何か祈りの言葉を囁いていた。
僧侶自身もまるで、自然の一部のように
溶け込んでいた。
一つの季節が終わる頃、
僧侶は、エルフの存在に気付いた。
エルフと僧侶は、一言も言葉を
交わさないし、挨拶もしない。
けれども、お互いに明日もまた、
この湖で、少しだけ重なる時間を過ごせたらと
思った。
願わくば、ずっと一緒にと。