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ミーナ・ファロン物語  作者: オサ
21歳は少し遅れている話
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75 結婚

75 結婚 ミーナ対話


 タイプは大きくて、強い人よ。

 終わりでいい?

 何が聞きたいの?

 自分のタイプと結婚できる訳ないでしょ。好きになった人と、自分の好みが異なるなんて、よくある事でしょ。そもそも、伯爵令嬢なのだから、政略結婚をするのが当然であって、恋愛結婚の方が珍しいのよ。

 パパとママが数多くの恋愛結婚を成立させていたですって。違うわよ。貴族が通う学園内での恋愛を成就させたって言うけど、政略結婚の一部なのよ。だって、宰相の後継者と言われていたパパと、公女のママが、仲人になるや後見人になるような形で結婚できれば、結婚相手が誰でいいとまでは言わないけど。その縁結びそのものが政治的意味を持つのだから、政略結婚と言えるでしょ。

 パパとママが恋愛結婚のプロで、何百もの結婚を演出したって、そんな訳ないでしょ。そんな風に噂が広まっているの?

 パパとママは物心つく前から婚約していて、物心ついた時には一緒に遊んでいたりするのよ。姉と弟みたいな関係よ。

 え、パパとママが初めから恋愛感情を持っていたって言っているの?

3歳の時に恋愛感情もなにもないでしょ。最初は家族みたいな関係なのよ。家族だから、当然好きって感情は持っているけど、あくまでも家族なの。物心がついて、もう少し、自分達の関係が家族ではないと理解できた時、家族で好きという感情が、恋愛感情に移行しただけなのよ。

 ママはそういう・・・、拘るから、そう言っているのか・・・。ママの気持ちを否定する必要はないけど、実際の話をすると、ママは恋愛感情から始まって、結婚まで辿り着いたと思い込んでいるだけなのよ。初めは家族、姉弟としての好きから2人の気持ちは始まっていて、ゴールである結婚は物心がつく前から決まっているから、ママとしては思い込みたいのだろうけど・・・。

 始まりは何でもいいでしょ。2人が愛し合って私達が生まれたのは間違いない事で、それが一番大切な事なんだから。堂々と政略結婚ですって言ってもいいと思うけど。


 要するに、運命の出会いだったと肯定する私の言葉が欲しいって事なんでしょ。

 事実を見なさいよ。出会いそのものは運命とは言えるけど。出会った時から好きだった訳がないでしょ。

 母性本能を刺激した・・・訳がないでしょ。可哀そうだとは思ったけどね。

 結婚してから好きになる努力は、まあ、努力と言える何かをした訳ではないけど、好きだという気持ちはそれなりにあったわよ。政略結婚であっても、相手にも心があって、気持ちを向けられなかったら悲しい思いをするだろうから、最低限の礼儀みたいなものでしょ。

 とても仲良く見えるのは、そういう風に行動していただけではなくて、段々好きになったから、そういう行動をするようになったのよ。

 そういう行動ってのは言う必要はないでしょ。とにかく、この話は、これでおしまい。


 急に入ってこないでって言ったでしょ。


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