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ミーナ・ファロン物語  作者: オサ
4歳頃の話
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7 傍若無人

7 傍若無人


 記憶がはっきりと残っているのは、3歳の時の暗闇の暴走からだから、セーラ叔母様に叱られた事によって、自我というのを持ち始めたのだと思う。2人の兄たちも同じね。あの日から2人はとても変わったわ。私の認識が変わっただけなのかもしれないけれど。

 リースは本格的な訓練を始めるようになって強くなり始めたわ。

 バルドは訓練開始が1年後であると言われてから、勉強を始めたわ。といっても4歳の子供ができる事なんて限られていて、子供向けの本をひたすら読んでいただけだったわ。読み聞かせが好きみたいで、私相手に良く本を読んでくれたわ。まあ、私は先に読んでしまっていたから、退屈ではあったんだけどね。ただ、この頃のバルドはすぐに泣こうとするから、可愛そうに思って、聞いてあげていたのよ。良く泣くようになったのは、あの事があったからだから。

まあ、声はとても綺麗で、その点は心地よい読み聞かせだったんだけど・・・。声変りした後のバルドは、おじさんよ。


その頃の私が、未来を見据えて、友好関係を結んでいたと、よく言われるのは知っているけれど。

4歳児の他の子よりも成長が早くて、色々な事を考える力もあったけれど。10年後とか、20年後の事を考えて行動する訳がないでしょ。

ええ、ええ、25年に一度の暗闇の暴走の事は理解していて、いずれ自分がそこで戦わなければならない事は分かっていたわよ。でも、それは大人になったらするのだろうという認識があった程度で、その時期から布石を打つ意識は持っていなかったし、そんな事が4歳児にできる訳ないでしょ。

結果的にその頃に出会った人たちが協力してくれたのは事実だけど、そんなの、国中の人間に協力を呼びかければ、協力者の中に小さい頃からの知り合いが入ってくるのは当然でしょ。

 運命?

そういう言葉を使えば、何となく格好いいと思っただけよ。立場があるんだから、本音と建前が違うのは当然で、そういう言葉を使わなければならない場面もあるのよ。

成り行きで協力してもらっただなんて、格好悪いでしょ。

幼い頃から決まっている運命なんてある訳ないでしょ。

だからね。

あなたが私を英雄視するのは自由だけど。あの頃の私は、ある意味荒れていただけで、良い子ではなかったわ。

荒れていたというのは、荒れていたという事よ。誰だって、子供の頃にはそういう事があるでしょ。宰相の娘だったから、規模が少しだけ大きくなっただけの事。


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