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ミーナ・ファロン物語  作者: オサ
15歳頃の話 妹は9歳頃
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42 学び

42 学び


 兄さん達は学園に入学したのは、恋人探しが目的ね。要は結婚相手を見つける事よ。特に兄さんは、ファロン家の跡継ぎだから、学園卒業と同時に結婚するのが理想だから、とても大切な事だったわ。まあ、意中の人が見つかってよかったわ。


 あのね、私の幼馴染のキャミーとリネットが、2人と結婚しているからって言って、私が裏で人を操るというのは酷いわ。人の愛情を操る事なんて誰にもできないのよ。もちろん、キャミーとリネットが、兄さん達を好きになったから、幼馴染として協力はしたわよ。リース兄さんも、バルド兄さんも、2人に好かれて満更でもないという態度だったしね。

そもそも、私が裏で何かするって言うのなら、学園に入学するはずでしょ。私が兄さん達とは違って、学園には入学しなかったことは有名でしょ。


実質的に入学していたと言われれば、そうかもしれないわね。農業部にはよく行ってペンタス教授の手伝いはしていたし、時々だけど勝手に授業も受けたわ。でも、それはエリカが受けたい授業があるから、同席しただけの事よ。

7,8歳のエリカが勝手に授業を受けるのは問題があったのかもしれないけど、先生達に注意はされなかったわ。隅の方で静かに聞いているだけだし・・・。宰相の娘達だから、注意されなかったのだとは思うけど、流石に邪魔になるようなことはしていないわ。


 入学しなかった決め手は、エリカが寂しいって言ったからよ。年齢差6歳だから、普通に入学すれば、一緒に学園に通う期間は全くなかったからね。それに、先生達の授業が悪いって訳ではなくて、入学前に色々と学んでしまったから、学園の授業で新しく学ぶ事はほとんどなかったのよ。それに、週に一度、バルドが私とエリカに、学園の授業の解説をしてくれていたのよ。だから、実質的に学園の授業はきちんと受けた事になるわね。

バルド兄さんが教えるのがうまかった訳ではなくて、小さい頃からの私とのやりとりは大体覚えていて、私が一度も触れた事のない知識について完全に理解しているのよ。だから、週に1度、1時間ぐらいの解説で、私が知らない知識だけを教えてくれたのよ。学園に行かなければ学べなかった事の全てをバルド兄さんが教えてくれたのよ。私の家庭教師としては最高だったと言えるわ。

うーん、教職は上手ではないかもしれないわ。誰かに教えるって言うのなら、リース兄さんの方が優れているわ。宰相府では指導力が高いと評価されているぐらいだから。


学園に行かない代わりと言っては何だけど。エリカに様々な事を学ばせるために、多くの人から教えてもらったわ。キャロライン叔母様からは行政の事務仕事を教えてもらったし、アイリス叔母様からは絵画を教えてもらったわ。軍事についてはアラン叔父様に、投資事業についてはエリック叔父様に、他にも王都の商人達から、商売も学んだわね。農業はもちろん、ペンタス教授直伝だし。だいたいの仕事は学んだわね。


え、違うわよ。結果的に、私も学んだことになるけど。エリカが学びたいって言うから、私が付き合ってあげていただけよ。私は色々な事を知るのは好きだけど、勉強が好きって訳ではないわ。1つの職業を極めるために勉強する事は大切な事だから、勉強する事は皆に勧めるけど。

とにかく、エリカティーナが最高の淑女である事は間違いないわ。才色兼備という言葉はエリカのためにある言葉だから。


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