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雨垂れ

 濡れた空気が張り付いては風で剥がれていく。


 雨が降る日は、何かに包まれるような感覚があって安心する。

 雨はいろんな音を立てて、リズムもバラバラ。

 

 川が流れるような重たい音。

 金属を跳ねる音。

 トタンを揺らす音。

 車が水を跳ね上がる音。

 溝を流れる細い音。


 バケツがひっくり返るような世界の景色に、非日常を思わせる。


 海流、海竜、カイリュー。

 雨戸、天戸、海女兎。


 カエル、ザリガニ、カニ、タコ、貝、ホヤ。


 リュウグウノツカイ。

 クジラ。

 シーラカンス。


 海の幽霊。

 滝登り。


 シーサーペント、クラーケン!!

 海賊船?

 ポセイドン。


 渦潮。

 満潮。


 蟹と海老は面倒だった。

 遠距離の水鉄砲がやたら攻撃力が高い。

 水場のステージって独特の空気感があって、駆け抜けたくなるよな。


 水面下から浮き上がってくる存在への警戒?

 いいや、戦い方が陰湿なんだ。


 陸との生物とは根本的に違う、彼らのルール。

 水、氷、闇。


 岩があって、ほのかに光を放つ群体、海底火山。

 浪漫だとも。

 防げない何かに見えてくる。


 水没、丸呑み、無呼吸、荒波、毒針、水圧、墨、低体温、音波。




 深海へ引き摺り込まれる招待状。

 空と陸と海の境目が曖昧になる。


 水の星に生きていると思わされる。

 溶けて無くなってしまいたい。

 重力から解放されたい。

 混ざり合って一つになりたい。


 泡沫に揺蕩う。

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