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地雷系の女

「素敵な衣装だね、よく似合ってる」


 と、声をかけたのが幸いしたのか。

 そのままカラオケで歌を聴きながら酒を飲んでいたら、気づけばホテルまで連行されていた。


 派手目な女はガードが硬いと思っていた。

 結局人によるのだろう。


 繋いだ手を引き寄せて、ベッドまで寄せる。

 そのまま腰へと手を伸ばして、膝へと座らせた。


 腰が細い。


 正直なところ、顔は普通の女だ。

 それでも似合っているのは間違いない。


 背が低いわりに、骨格からして華奢で、スタイルが綺麗に見える。

 抱いてて楽しいと思ったのは初めてかもしれない。


 きめ細かい肌に指を這わせると、小さく震える姿が愛らしい。

 薄い女もそれはそれで好きだが、今は彼女へと集中したいと思った。


「運動とかしてるの?」

「? してないよー?」


 天然物というべきか。

 あるいは努力を見せたくないのか。


 コスプレが趣味だと話してくれたため、どちらかといえば食事制限によるものだろう。

 あるいは遺伝か。羨ましい話だ。


 話しかけて、抱いてみて。

 それぞれに魅力がある女は珍しい。


 舌を交わす。

 これまた、先端に向けて細くなる舌。

 丁寧に縦向きに舐めとる。


 必死に応えようとしてくれるのが嬉しくて、気がつけば口の周りが大変なことになっている。

 息を止めたい、と思ったのもこれが初めてかもしれない。


 人形のような、という表現にぴたりと当てはまる容姿。

 動く姿も、動かなくなる姿もきっと素敵なことだろう。


 口付けのときに逃げられないように頭を掴んだ手を、後頭部から耳から首へと触診するように移動する。


 耳のところで指にピアスが引っかかる。

 数が多い。

 粒のようなものから、一本のスティックみたいな形のものまで軟骨を横断しており、痛々しい。


 向かって右側に多くつけているのは理由があるのだろうか。

 左側の耳を舐めるとこれまでより一層鋭い声を上げ、腰をこちらへと押し付けてきた。


 ひとしきり満足して、汗ばんだ首と体温を感じる首に手をかける。


「う゛ぅ〜……」


 少し引っかかる、潰れたような、絞ったような。

 合わせた目が期待からか、爛々と光る。


 20秒。


 意識したのはそれまで。

 親指を首の側面の血管に当てて、押し上げる。


 彼女の手に力が入り、自分の腕に爪が立ち、しかし力が抜けるとなったときにようやく手を離した。


 解放されたと息を吸い込む彼女を、心底愛おしいと、可愛いと思った。

 歪んでいる自覚は当然にある。

 だが、こんな魅力的な玩具は他にない。


「うん、すっげぇ可愛い」

「……ぇへ、めっちゃ気持ちよかったぁ〜」

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