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期待

 全てを諦めた。その方が楽だから。全部どうでもいい、俺の権利を放棄する。

 するとまあ、楽になる。苦しいけど、それが普通のことに変わる。


 期待しちゃえば、その分だけ裏切られた時に傷ついてしまう。身が引き裂かれそうな思いをするのはもう疲れたので、叶わないと諦めてしまおう。


* * * * *


 他人を諦めた。私は彼らにラベル付を始める。『褒められたい人』『疲れた人』『自分が何もできないと思ってる人』『なんでもできると思ってる人』『好かれたい人』『距離を置きたい人』『とにかく否定したい人』『話を聞いて欲しい人』『誰かに全てを決めて欲しい人』『否定されたくない人』。


 『好奇心が強い人』や『上手く人付き合いができる人』は楽だけど苦手だ。彼らに甘えたくなってしまう。そうすると向かう先は依存である。

 貼り直す。『優位を取りたい人』。そのまま自分に返ってきた。なるほど自分はこういう存在のようだ。


「嘘をついてまで、誰かとかかわるつもりはないよ」


 『自分の主張に共感して欲しい人』に説教された。


「へえ! そうなんだ! なんかかっこいいね?」


 羨ましいなぁ。本当にそうなら、どれだけ良いことだろう。

 嘘。嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。


 ああ、私って嘘つきなんだ。

 でもさ。


(嘘をついてでも関わらないといけないんだ。彼らを私は好いている。これも否定されちゃうんだろうか)


 複雑な気持ち。葛藤。軽度の二重人格。

 強いていうなら私は、誰かを攻略するような、ゲームを遊ぶように言葉を紡ぐ。

 それは忌むべきことなのだろうか。


(……スタンスの違いか)


 彼にとっての正義である。それだけの話。ぶつかったら戦争が起こってしまうのだ。くわばら。

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