3.
4時間経過後の午前2時。
2時間ごとに15分休憩が入るのだが、それを返上して4時間ぶっ通しで作業をする。
いつもならここまでの時間で4体を解体し終えるところを、巻いて6体も解体したタカシは、さすがに肩が凝って右腕が上がらなくなってきたので、15分休憩に入ることにした。
「……いや、次の15分休憩もここで固めて30分休憩にして、2時半から馬力上げて4体やっつけよう。ペースが落ちてきたけど3時間30分あれば、4体なら、ぎりちょんでなんとかなるな」
過去の経験則からそんな余裕の計画を導き出したタカシだが、30分休憩による腕の復活がかかっていることは確かで、この休憩は重要である。
右腕を無理してでもグルグルと回してほぐし、思いっきり背伸びをして、首を左右に傾けてコキコキいわせながら部屋を出る。
作業部屋の外の休憩室にある自販機でグアバの缶ジュースを買い、ピロピロと鳴る電子音がゆっくりと止まった後にハズレを確認してからガックリとうなだれて部屋へ戻る。
それから長椅子に弾みを付けて腰掛け、缶のプルタブを引いてプシュと音を立て、グイッと一口飲む。その時、視線が缶からアンドロイドたちへ移った。
あの4体の中に女性のアンドロイドが1体ある。
なるたけ見ないようにしていたが、数が少なくなってくると、だんだん気になって目がそっちの方へ自然と向いてしまう。
アンドロイドを解体する前に服を脱がすのだが、女性の場合に目のやり場に困る。しかも、なんだか申し訳ないような気がする。だから、自然と後回しになってしまうのだ。
(最後にしたいけど、その1体が残ってしまうと先輩に余計なことを言われそうだな。休憩終わったら、真っ先にやるか)
そう考えると、なぜか鼓動が高まってしまった。