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午前3時のタイムループ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
15/17

15.

 ニーナは足を破損したのか、腕だけで這ってタカシの方へ近づいていった。


 ヘルメットが吹き飛び、路上に広がり続ける血の絨毯に頭を乗せたタカシは、仰向けになって投げ出された人形のように手足を広げ、目を閉じて身動き一つしない。


 ニーナは、彼の頸動脈に右手を当て、消えゆく脈を測り始めた。


 程なくして、左腕に着用していた腕時計がブルブルブルと鳴動する。この腕時計は無線通信機の役目も果たすようになっているのだが、震えるような呼び出し音が情け容赦なく彼女の応答を()かす。


 いったん、右手で腕時計を操作したニーナは、その手を再びタカシの頸動脈に当て、おもむろに腕時計を口に近づける。そうして、目を彼の方へ向けたまま、小さく口を開いた。


「こちら、207817号。どうぞ」


 彼女は、増えてきた野次馬に聞こえないよう小声で応答すると、腕時計から男の声が聞こえてきた。


『こちら、191562号。研究所裏手からの侵入に成功。207817号は、合流可能か? どうぞ』


 彼女は、タカシの眠った顔をジッと見つめ、沈黙した。


『どうした、207817号、応答せよ』


「…………」


『応答せよ』


「バイクで移動中、事故に遭遇。合流不能。協力者は…………死亡。どうぞ」


『では、突入の許可を願う。どうぞ』

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