第2話 邂逅と確認
降ってきた
※2/5 誤字修正
先日購入した家電や家具を設置を終わらせ、
社会人生活もはや2週間と言った所。
先日即決した空気清浄機は「やることがない」と言いたげに
静かに動き続けている。
果たして本当に花粉に対して効果があるもんなのか?とも疑問に思ったが、
花粉症の症状が自宅で出ていないのを見ると割りと役には立ってくれているのかもしれない。
古書店巡りで気になった本を読んでいるとたまに肌寒く感じるときがあるので、
都会っ子特有の即エアコンONで対応しているが、暖房を入れると空気が乾燥するのは火を見るより明らか。
そこで、加湿機能の付いた空気清浄機に役立ってもらおうと水を入れはや数時間。
「ちょっとー!水無くなったー!早くお水入れてー!」
……はい?
…………はいー?
えちょっとまってなんで一人暮らしの家から女の子の声聞こえてきたの
俺とうとう精神やっちまったかな社会人生活にストレスを感じてるのは確かだけど
まだ幻聴が聞こえてくるような状況ではないだろうし読書してるのも雑学的な奴だし
「早く水入れてって言ってるでしょー!はやくー!」
What the fuck……?
一体何が起きてんだ……?
見ないようにしても埒が明かないので、覚悟を決めて声がする方へ向いてみると。
――そこに置いてあった空気清浄機が無くなってて。
――変わりに体育座りしたダークブラウンのワンピースを来た小6くらいの女の子が居た。
は?いや、なんでやねん。
思わず首都育ちなのに関西弁が出てしまった。
っていうか水入れてって言ってるけど……
「どっから水入れんの?」
「見れば分かるでしょー!?そんなことも分かんないの?!」
分かるわけねえだろ。
見た目小学生の女の子に「水入れて」って言われて一発で分かるやつを見てみたいわ。
「分かる訳ないでしょ……何?口から水飲ませれば良いの?」
「そんな訳ないでしょ?!バカじゃないのあなた!」
「大体そんな見た目して一発で分かる訳ないから!」
「説明書読んでれば分かるでしょ?!大体見た目……なんて……」
お、空気清浄機が置いてあった横に姿見を見てようやく気づいたらしい。
その見た目でどうやって水を入れろって言うんだ?ん?
「……女の子になってる……」
あ、そこからなんだ。
なんかTSした元男主人公みたいなセリフ言ってる、面白い。
「んで、ぶっちゃけその見た目になって空気を清浄できる?」
「出来る……と思う……思いたい……」
「食事する必要ある?」
「ある……と思う……多分……」
「どうやって水入れればいいの?」
「…………どうしよう…………」
おい、どうすんだ。
まあどうしようも無さそうだけど空気清浄は出来そうだし、
加湿器だけ買ってくるのもアリか……とも思った瞬間。
「あ!お水飲めば大丈夫みたい!見てて!」
元空気清浄機が口から湯気を出している。
おお……オ○ラはボイ○ーみたいな出し方してんな……