俺にはフラグは立たない!
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムとともに1人の女が入ってきた。
「席につけー」
騒がしかった騒音が、 消え去った。
「今日から担任になる、 柴原 愛美だ。よろしく頼むよ。」
目が合う。 俺が嫌な顔をすると、 ニッコリと笑ってきやがった……
最悪だ、二年連続だと! 俺はこの人の目が嫌いだ。 何でも見透かしているような、 綺麗な目をしている。 何かと鋭いとこをついてくるのだ。 この人は、 強い……
周りの生徒達は、 美人教師が担任になった事に、 歓喜の声を上げている。
馬鹿野郎。 そのうち痛い目見るぞ。
「はいはい、 静かに静かに! このクラスには、 1人。 編入生が入ってくる事になっている。 入ってこい。」
教室の入口から、 綺麗な女子生徒が入ってきた。
「とりあえず自己紹介して。」
「はい。 水無月 美月です。よろしくお願いします。」
「席は窓際の一番後ろな。みんな仲良くしてやってくれたまえ。」
またまた男子生徒が、 歓喜の声を上げる。
転校生なんてもの、 二次創作の中では定番のフラグだな。だがしかし! 俺には関係ないのだよ。 フラグというものは主人公にしか、発生しないのだよ。 自分で言うのもなんだが、 俺には主人公は、 向いていない。 主人公というのは、亮太みたいな奴がなるもんだ。 昔からそうだから、 自然にそう思うようになるものなのだ。 自分で言っててちょっと悲しくなった……。
「はい。そういうことで、 連絡事項は、 以上だな。 皆は二年生に進学して、 後輩ができたのだ。 だからしっかりそこんとこは、 自覚を持つようにな。 はい終わりー。」
号令とともに挨拶をし、 担任は出ていった。 皆は転校生が気になるらしく、 転校生の周りにわらわらと集まっている。
俺は教室がうるさいので、 廊下に出た。 そしたらいたんですよ…… 担任の柴原先生が…… 目が合う。 ニッコリ笑ってきた。 目をそらしスルーしようと横を通り抜けようとするが、 首根っこを掴まれた!!
「うがっ!! 先生痛いです! やめて! 殺さないで!! 」
「二年連続同じなんだぞ。 仲良くしようじゃないか輝。 私が入ってきた時、 嫌そうな顔してたのみてたぞ~ そんなに嫌かね? ん? 」
「い、いいい嫌なわけないじゃないですかい旦那。 嬉しいに決まってやすぜい!」
「わっかりやすいなぁ~お前はw そんなんじゃ今年も独りぼっちだぞ。 先生は、 心配なんだぞ~ ほれほれ」
「痛い、 痛いです。 ほっぺつままないでくださいよ! 暴力反対です! あと心配は無用ですよ。 別に今年は、 幼なじみの奴もいますし。 そもそも、 友達ってそんなに必要なもんだとも思いませんし!! 」
「はぁ~ 相変わらず冷めてるなお前は。 1人でも喋れる奴いるならいいけど。 まー、頑張りたまえよ少年。」
バイバイと手を振ってどっかに消えた。 やったの思いで開放された。 今年も、 先が思いやられる……