青春。
青春。
青春とは時に優しく、 時にきびしく、 時につらいこともあるそんな甘酸っぱいものだと……。
高校生になれば自然と友達をもち、 彼女も簡単にできるものだと、 そう思っていた時期も、 俺にはあった。
だがしかし、 そんな幻想は幻想でしかなく、 現実はそんな簡単なもんじゃないと、 高校生になりあらためて気付かされた。
「はぁ……」
自然にため息がでてしまう。
どうしていつもこうなんだよ。
ワイワイガヤガヤと周りの楽しそうな騒音をききながらそんなことを思っていると、
「おはよ!輝いつも通り暗いなー」
こんな気軽に話しかけてくる奴は、 1人しかいない。
運動神経抜群、 成績優秀、 容姿端麗、 性格も良しの学級委員。
佐藤 亮太だ。
コイツとは、 小学生の時からの幼なじみで、 いわば腐れ縁みたいなもんだ。
俺が小学生の頃、 こっちに引っ越してきた時、 隣の家が亮太の家で、 挨拶に行った時からよくしてもらっている。
「おはよ。 お前は、 いつも通り朝から明るいな……てかさ、別にそんな暗くないだろいつもいつも。」
「いやいや、 暗いよw まあ、そんなことない日でも暗いなぁっていうんだけど。 いつもの癖でついつい。」
いつもの癖ってなんだよ……ルーティーンかよ……お前の朝はこのルーティーンで始まるのか? ご愁傷さまだなおい。
「てか今日はやけに暗いな。 新学期早々? 新学年早々?縁起悪いぞ? 何かあったの?」
「いや、 いつも通りだよ。 高校入ってこの一年いつも通りなんだよ。 何も無いんだよ。 いつの間にか一年がすぎていったんだよ……」
「まー、 そんな日もあるって! 気にすんなよ」
「日にち単位にすんなよ。 こっちは年単位でっ残念がってるんだからさー……」
アハハと腹を抱える亮太。 チッ……リア充めが。
爆発してしまえこの野郎!
少し根暗で平凡な高校2年生、 斉藤 輝の、 いつも通りの高校生活がいつも通りにまた、 始まった。